大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-07-03 15:10:00

dive25

「アオイ、アオイ・・・」

なんだか遠くから誰かが呼んでいるような気がしたその時、バイロンの後からこっちを見ているうすぼんやりした女の人がいるのに気付いた。優しい感じがバイロンによく似ている。バイロンがみんなと話しているのを気にしながらその女の人のほうを見ると目が合った。一瞬でその人が俺の方に近づき俺の中に入ってくる。まるで霧のように一瞬目の前が真っ白にかすむ。びっくりするのと同時に手がどんどん熱くなってくるのを感じる。面食らっている俺に追い打ちをかけるように映像が飛び込んでくる。それは若い数人の男女の楽しそうに笑っている姿だった。なんだこれ・・・この人たちは・・・ああそうかホウウンやバイロンたちの若い時か?ん!あれさっきの女の人も一緒にいる・・ オウリンもズーウェイもジンリーもいてみんな同じ店の制服を着てるのかなー・・・さっきの女の人は・・とその女の人に集中しているとまるでその人のアルバムを開くように過去の姿が見えてくる。これは・・ああ、どんどんさかのぼっていく・・幼いころの二人が見えてきた・・ああそうかこれはバイロンとこのひとの・・兄弟なのか・・それが分かった瞬間、今度は現在に近くなってくる。どんどん映像が・・・というかこの人の記憶が流れてくる。あれ、ここは病院か・・なんだ・・みんな・・医者たちが悩んでいる・・・あれこの風景どこかで見たような・・この人目を覚まさない・・・ねえ・・ちょっと待って。なあ、おいサクラ、サクラ・・・そうだ病院にいたサクラにそっくりだ。おいおい、どうなってんだよこれ・・・なあ君の名は・・名前を教えてくれ、君は今どこにいる・・・すぐに行くから・・今すぐ行くから…そう叫んだとき心の中で声がした。

『白鳳(バイフォン)・・・・』

すぐに助けに行くから待ってろバイフォン!そう心の中で叫んだ瞬間、元の世界に戻った。

気付くと皆が黙ってこっちを見ている。(えっ!みんなどうしたの?)と思いみんなの方をうかがっていると

「アオイ、お前今『バイフォン』って言ったのか?なぜおまえが知っている。お前何者だ?どうしてお前が俺の妹を知っているんだ?」慌てたバイロンが俺につかみかかって聞いてくる。さっきまでの優しそうな彼とはまるで違う鬼気迫る感じだ。

「そうだアオイ、お前はたまたま飛行機でオウリンに会い、たまたま飲茶屋で俺と会いここに来たはず。なんであったこともない『バイフォン』のことを知っているんだ」ホウウンも動揺している。ズーウェイやジーリンに至っては気味悪がってさっきまでの楽しい宴会が一瞬にして修羅場と化した。

「ちょっと待ってくれ、落ち着いて聞いてくれ、まず、俺は本当にたまたま君たちに会っただけだ。本当だ。信じてくれ。それから聞きたいことが一つ、その『バイフォン』さんは今どこの病院にいるんだ?急がないと・・・」

そう聞いたが誰も何も答えなかった。しばらく沈黙を保っていたがらちが明かないとオウリンが話し出した。

「彼女は2年前に亡くなったわ。そうあなたの言う通り病院でね。原因がわからない病気で‥‥いつもこの6人は一緒だったの。仲のいい2組の兄弟と一人っ子の私とジーリン。でもある時あの子が突然倒れて、少しづつ弱っていってそのまま・・・」

「そうだったのか。なんで俺に知らせてきたのかこれでわかったよ。これは彼女と俺の運命が引き合わせたんだな。言っても信じてもらえないかもしれないけど、俺の妹も同じ病気だった。だがあることをきっかけに治療法を手に入れて今は元気にしている。なんてことだ。俺の研究と修業がもう少し早かったら・・・すまない詳しいことは訳があって今は言えないが、俺はその病気の元と戦うために明日中国本土に行くんだ。それとバイロン、バイフォンがさっき君のことを心配そうに見ていた。そしてみんなのことを俺に教えてくれたんだ。」

「バイフォンが?・・・・ここにいたのか?・・・お前に見えたのか?心配そうにか?俺を見て・・・・そうか・・そうか・・」

dive26に続く・・・

 

 

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