大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-06-13 01:31:00

dive20

 翌日、プレゼンをするために朝早く会社にいって準備をしていると灰田課長がやってきた。

「守川君、今日のプレゼン頼むよー、直々に社長が来るんだから失敗は許されないぞ、資料はそろっているようだね。」

「課長、大丈夫ですよ。それより僕これが終わったら連休とらせてもらうって話大丈夫なんですよね?もう予定いれちゃってるんですけど。」

「ああ、その話ね。それはプレゼン次第だ。」

「じゃあ、頑張ります。」

課長の背中に声をかけた。まあ、会社用のスーツはだいぶ前にできてたんだけどね。材質もだいぶ違うし、つなぐAIも温度、人体管理が中心でうるさいほどしゃべってこない。でも消防隊とかレスキューならこれでも十分だと思う。それより会社をどうやって辞めるかだ。怪しまれないようにやめないと俺殺されちゃうんじゃないか。こんな時に紅美がいてくれたらよかったのに。そういえば紅美大丈夫だったんだろうか。黄さんも電話がつながらないし、ほんとに状況がつかめない。でももしあの社長たちの話が本当だったら早く俺も行動を起こさなければ・・・

 完成品と資料をもって本館のほうに移動する。プレゼンルームについて資料をテーブルに置きパソコンをつなぐ。早く終わらせたいというか逃げ出したいという方が正確だろう。準備していると何人かが部屋に入ってきた。見たことない人たちだ。だいたい別棟の俺はこっちの棟のお偉いさんたちのことはあまり知らないけど社内のネットワークをのぞいて顔ぐらいはだいたい知っていた。でもこの人たちはうちの会社の人間ではなさそうだ。あんな怖そうな外人とか見たことないよ。なんだよこれ、どいつもこいつも悪党に見える。襟のバッジにBSのマーク、あれはブラストンの社章。おいおい俺ここで何かされるのか?それでもやり遂げないと先に進めない。

 最後に社長が来て皆がそろった。灰田課長が俺を紹介して始まった。

「レスキュースーツ開発担当の守川です。私が開発したスーツは特殊な炭素繊維で出来ており、繊維の中を液状のナノマシーンが巡り外部温度の影響を受けずに作業ができます。例えば氷点下60度の世界でも、高温の揚げ油の中でも。現在はこの程度ですがこのまま研究を続ければ宇宙服にも転用できることでしょう。そしてこのスーツのシステムをつかさどるAIがゴーグルに搭載されていてゴーグルのグラス部分に映し出され、口頭で命令すればネットなどにもつながり瞬時に答えを出してくれます。インカムに直接AIが指示を出してくれるので視界が遮られても大丈夫です。GPSもつかえますので災害地での作業に役立ちます。ゴーグルに搭載されている2台のカメラで撮られた映像はすぐに本部に送り解析されその場所の地図、現場の障害物などの位置などを立体的に描くことができ、何人かで一帯の状態を共有することにより本部もより判断しやすくなります。これは大規模な災害現場で個々だけの判断による2次災害を防ぐことができる画期的なシステムです。その名もコネクトアイシステム(CIS)です。このスーツシステムを導入することにより隊員の人命も被害者の人命も確実に救うことができます。ご説明は以上です。何かご質問があればどうぞ。」

「このスーツ衝撃にはどうですか。例えば瓦礫が落ちて来たり、何かがぶつかってくるとか」

「先ほど言ったスーツの生地である特殊な炭素繊維というのは超高度のチューブ状になっておりその繊維をハニカム構造にし、また烏賊の身の部分のような何層もの垂直に重なる構造になっているため衝撃に強く、一点にかかる力も分散します。」

それからいくつかの質問に答え、結構いい手ごたえにこれからのことを忘れそうになったころ、最後に社長が質問してきた。

「先ほどの衝撃にも強いというところ、一点に力がかかるシチュエーションというのは銃弾に対してもということかね。」

「実際に試してはないですが・・・・数値上問題はないと思われます。」

その言葉を聞くと社長は席を立った。そして他の人たちも資料をもって部屋を出て行った。最後に灰田課長に

「よかったよ、皆の反応は明日会議にかけてからじゃないとわからないけど。とりあえず明日から10日間休んでいいよ。ご苦労様。研究棟のカギは預かっておくよ。今日はもういいよ。」

俺は言いたいこともあったけど疲れたふりをして早々に帰った。

dive21に続く・・・

 

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