大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-06-12 01:32:00

dive19

ついにこの時がやってきた。そう、あの日さくらが病気になって中国にわたってから7年とうとうここまでたどり着いた。俺のスーツとジミーの頭脳が一つになる。この先の戦いになくてはならないこのスーツ、左足右足と入れていくたびに覚悟を決めていくがふるえて仕方がない。そんな俺を黙ってジミーが見守っている。今までのテストの時とは違う緊張感に息が詰まる。部屋の空気が張り詰めていて身動きが取れないみたいだ。だがそでを通し終え頭まですっぽり着た時にはもう帰れないと腹をくくった。ジミーがゴーグルのコードをマスクにつなぐ。そんな親友を見るとついさっきまで泣いていてのだと気づいた。あまりの状況にひと声もあげられなかったのだろう。戦争に行くってこういう感じなのかなと他人のことに意識を回すとなんだか自分を客観視できるのだろうか。ちょっと落ち着いてきた。バッテリータンクとナノマシーンタンクを背負いレギュレーターをつけるとすべてがつながる。起動音が高揚感を生む。緊張の糸を切ってAIのキッドが話し出す。

『起動完了、システムオールクリア―、エネルギータンク100%、藍、命令を』

興奮からか体が熱い。拍動が早くなっているのが自分でわかる。落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせジミーを見る。ジミーもまっすぐに俺を見ている。何も話していないのに二人が同時にうなづいた。気合を入れなおし一声、

『ご先祖様とうとうここまで来たぞ、俺に力を分けてくれ――――』

その声と同時に両の手を合わせ額にもっていく。無限のようにあふれ出る力はこの時を待ちわびていた一族の者たちが呼応しているようで、見えるはずのないジミーにも何かに包まれていることを容易に悟らせた。やがてその幕のようなものは穏やかなものになり、藍の心も落ち着きを取り戻した。呼吸を整え、躊躇なく印を結び呪文を唱える。

そして最後の不動の印を頭上に掲げたとき藍を包んでいた幕が淡く光りだした。それをじっと見ていたジミーが息をのむ。すくみながら唾をのむ。そしてもう自分が帰れない道を進んでいるのを腹の底に叩き込まれるようだった。覚悟をきめ始めていたジミーを驚きの表情に変えるように光が小さく強く輝きを増していき、まるで濃縮されていくようだった。目を奪われているジミーを現実に引き戻すようにジミーの鞄から声がする。『ジミー・・・ジミー・・・』気をとられていたジミーがはっとして鞄からインカムを出しセットした。

『ジミー・・・』

『ああああ、藍、大丈夫なのか、お前これって・・・さっき言っていた・・・術なのか?』

『そうだ。これで信じたか。お前に見せるのはもっと先になるはずだったけど・・・すまんもう時間がない。』

『わかってるよ、それよりもお前、スーツとキッドは?』

『ジミー私は絶好調です。あなたに創造してもらったので感謝していますが、なかなか困難なシチュエーションみたいですね。藍の世話ならもう慣れましたので大丈夫です。・・・あれ?えっ?なんで?どいうことですか?ジミー?私、なんか小さくないですか?それともあなたが大きく・・・いや他のものも・・・やっぱり私たちだけが縮んだんですね。ありえない。ジミーあなたの作った私が間違っているなんて、こんなデータはどのネットの中の論文にもありません。こんなのがあるのは学研の雑誌・・ほら藍が大好きな・・ミー・・・』

『[ムー]だよ。おまえやっぱりジミーみたいだな。キッド。こういう系統には免疫がないようだな。でもお前が雑誌の名前を間違えるなんて・・・・・あーーー!くそっ!お前またやりやがったな。またからかいやがった。ジミー、これ未完成品だな。バグってやがる。』

『藍のバグを言い出したら直せる技術をさがすより作り直した方が早くないですか。』

『おいおいジミー君、こいつを黙らせるスイッチをつけてくれないかなー』

『ちょっと二人とも真面目にやってくれ!キッドお前自分の状態が確認できるか。あとスーツの機能を管理できてるのか?藍も体に異常はないのか?』

『はいジミー。スーツのコンディションはオールクリア―です。ナノマシーンの温度調節機能、メタモルフォーゼ機能もクリアーです。小さくなっただけでシステムはすべて正常に動いています。ジミー驚きです。藍にこんな力があるなんて。先ほどの二人の話はケースの中で聞いていましたので状況は把握しました。ジミー、私たちはチームですね。チーム名はそう『インディゴプロテクト』なんてのはどうでしょうか』

『うん、いいね『インディゴプロテクト』』

『キッド・・・・頼む、力を貸してくれ。』

dive20に続く・・・

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