応援メッセージ
応援メッセージ
外国、特にアジア圏を旅すると時としてスコールのような突然の大雨に見舞われる。
日本の夕立やにわか雨に、近いかもしれないけど少し違うのかもしれない。
突然ざーと降ってすぐに止む、とても気まぐれな雨。
昔インドを旅している時に、船でガンジス川を渡り、対岸の田舎町を散歩していた。
建物もまばらな、のどかな風景。その時に突然のスコール。とっさに雨をしのげる場所を探した。
周りを見渡すと近くに背丈は10メートル位だろうか、幹が太く枝が横にしげる一本の大きな木を見つけた。
とっさに僕はその木の下に駆け込んだ。
周囲にいた村人。郵便屋さんや見知らぬ旅人が続々とその木の下に走って集まってきた。何故だかどこかが嬉しそうだ。気がつけば10人くらいの家族になっていた。言葉を特に交わすこともなく。いつ止むか分からない雨をじっと見つめていた。
空を見たり。時には顔を見合わせてみたり。葉に打ち付ける雨粒をみたり。気持ちよさそうに水を吸収している大地をボーっと眺めていた。
まるで時が止まり、世界にこの10人しかいないのではないかと思えるほど、それはそれは穏やかで静かな美しいひと時だった。
何故か僕はこの時の記憶。20年近く前の記憶だが、ずっと忘れずに、今でも鮮明に思い出すことが出来る。
雨の匂いや葉に滴る雨音、そして皆んなの優しい眼差し、口元にこぼれる笑み。あたたかい一体感。そして包み込んでくれた大きな木。
だから僕は突然の雨が今でも、好きなのかも知れない。
むっちゃんのプロジェクトの話を聞いた時に、その時の記憶が蘇りました。
あの時の木の下の世界の様な場所が新しく出来ることがとても嬉しいです。