応援メッセージ
応援メッセージ
作品『あたたかい木』に共感していただき、店名にしていただいたこと、作者としてたいへん、うれしく思います。
わたしがこの作品を書いたのは、今から30年あまり前のことです。
それから現在まで、日本や海外で、多くの人たちにこの作品を紹介してきました。
この作品に関心を持ってくれる人が、「あたたかい木」から思いうかべるものは、神・仏・父親・母親・家族・家庭・愛する人・親友・ふるさと・自然・大いなるもの……と、読む人によってちがいます。ところが、「あたたかい木」から思いうかべるものがちがっても、共通することは、そうした存在にあたたかく受け入れられ、愛されていたという記憶があるということ、あるいは、現在、あたたかく受け入れられ、愛されているということです。
遙かかなたの山のおくにあるという「あたたかい木」。
しかし、わたしたちが気づきさえすれば、「あたたかい木」は、わたしたちの幸せな記憶の中にも、そして、現在のわたしたちのまわりにもあるのかもしれません。
そうであるならば、他の人にとっての大切な存在であるということを自覚したときから、わたしたちも、きっとだれかにとっての「あたたかい木」になることができるのです。
『穏(おん)Caféあたたかい木』には、穏やかな時間と空間がありますように。
そしてそこに集う皆様が、誰かにとっての「あたたかい木」でありますように。
生き方が人生になるのですから。
くすのき しげのり
2021年2月吉日