ごあいさつ

インフォメーション

2018-12-31 11:04:00

 

 

今年は、小説など出版してしまい、皆様方には無駄な出費をしていただき申し訳ございませんでした。

調子に乗って、何作か書いているのですが、恐ろしいことに、自己満足とはこういうことかと実感してしまいました。というのは、自分で書いた作品を読み返して、なんと涙ぐんでしまったという、なんとも笑えない話です。思えば芸術、なんであれ感動、感激し、涙が出てくるという経験は皆さまあると思うのですが、それは作者と自分との心の振動のようなものが同調した時の現象なのかもしれません。だから一見おかしな話ですが、自分の作品を読んで感動してしまうのでしょう。しかし、そのことと作品の価値とは一切無関係であることは今回の本の売れ行きを見て思いました。ということは、何冊書いても自分が思うように書いているうちはベストセラーとはならないということですね。まあ、簡単に言うと私には物書きの才能がなかったようでした。

来年、と言っても明日からですが、小型船舶の免許を取り海洋に出ようかと考えております。バイクも40年以上乗ってきましたが、いよいよ陸から海へ。獣医から政界へ。なーんて冗談ですよ。

どうか皆様よいお年をお迎えください。

 


2018-12-26 09:52:00

本年7月に幻冬舎から出版された、世界中の猫の秘密、多くの皆様方に読んでいただき、大変感謝しております。ありがとうございました。今回は電子書籍化という話をいただき、調子に乗って来年2月に幻冬舎から電子書籍として出す運びとなりました。また多くの方々の目に触れる機会をいただき喜んでおります。次回作が出るかどうかは分かりませんが、もし出たらその時はまたよろしくお願いいたします。

 


2018-12-15 09:54:00

次の日。気分転換にと散歩に誘ってみた。リードを持つのはすでに親友になったトミー。

戻ってきたトミーに話を聞くと、この子は散歩をしたことがないみたいで、道路の歩き方を知らなかったということであった。外出が気分転換になったかが不安だった。折角心を開いてきたのにかえって怖い思いをさせてしまったかもしれないと。しかし、この不安はすぐに解消した。というのも朝食の食欲がもの凄いことになっていたからだ。好きなものを好きなだけ食べなさい、それで心が取り戻せたら安いものだ。

さらなる決断。午後退院させてみよう。暖かい家族の待つ最高の環境に戻し、一気に心も体も戻していこう。保護してから数日しかお世話になっていないが、新しい我が家をこの子が覚えているだろうか。親友のトミーのもとに暫く置いておいたほうがよいのだろうか、一抹の不安はあったのだが。本日の午後には家族が来られる。

最後の不安もすぐに解消した。2日しか一緒に暮らしていなかったのに、家族を見た時の喜びようと言ったら、私たちが嫉妬してしまうほどだった。でも本当に良かった。これでやっと私も眠れない夜を迎えなくて済みそうだ。

年末のお忙しいところ、拙い文章にお付き合いいただき痛み入ります。来年はもう1冊長編の小説の出版を考えております。世界中の猫の秘密、が電子版で出るという話もあり、楽しみです。こちらもよろしくお願いいたします。

 

妻が言うには、最近疲れているせいか夜中にトイレに起きないでぐっすりと朝まで眠れているみたいね、だって。これはノンフィクション。


2018-12-14 17:33:00

手術室にて。

私はこんなにも手術の跡が瘢痕化している皮膚にメスを入れたことがなかった。一体君は何回この腹を開けているのだ。これで最後にしようね。

先生、ずーとお腹が痛かったから、痛みだけでもなくしてください。

もちろんだよ。悪いところを取って楽になろうね。

私はメスを通してそんなように感じていた。そして機械出しの看護師に新しいメッツエンバウム剪刀を用意するように命じた。とてもいつもの奴では切れない。やっと視野に腹腔内が現れた。案の定そこら中に癒着が見られる。ちょっと時間がかかりそうだと思った瞬間、それを悟ったように麻酔医がリスキーですから時間をかけないでくださいと声が飛んでくる。

ウインナーが繋がってるような膿が溜まっている子宮を助手に持ち上げてもらい、一気に止血とカットが同時にできる秘密兵器を使い、病巣を摘出した。決して器用ではない私でもハイテクを使えば器用になった気分でできるので助かる。そして、型通りの閉腹をし、腫瘍の摘出もして終了。相当つらかったのであろう、麻酔が覚めてもこの子は死んだように次の日まで眠っていた。目が覚めてからは痛みが引いてきたためか、多少目に力が出てきたかに見えたが、まだ心を持った生き物とは思えない状態であった。しかし食欲が出てきたことで、私たちは天にも昇るような気分になっていた。特にこの子を気にかけていた看護師のトミーは涙を浮かべて喜んでいた。

次の日、心が戻ってくることと、食欲がまるで正比例するような感じであった。結果この子の状態は良くなってきた。とりわけトミーには喜びの表情を見せるようになってきた。

 

そして、最終章に続きます。多少フィクションが入り、話を盛ってしまいました。最後は思わぬ展開が待っていました。乞うご期待。これから考えます。


2018-12-14 16:40:00

本年も多くの方々に私共のクリニックを使っていただき、心より感謝しております。

本日は先日手術をしたワンちゃんについてお話させていただきます。この子はブリーダーの崩壊でボランティアの団体がレスキューし、その後、私の知り合いの方に引き取られて家族の一員となりました。同じルートで家族になっていた子がすでに2頭、この家にはおります。素晴らしい家族です。3頭もの犬を救っていただき心より感謝いたします。

さて、この3頭目のワンちゃんが、今回の主役です。まさにぼろぼろの心と体で保護というより避難してきました。よくぞこの家族のもとに辿り着いたと、神に感謝したい気持ちでした。息さえしていればきっといつかは幸せに暮らせる日々は来るだろう。

何回帝王切開をして子供を作ってきたのだろう。腹部の傷口はガタガタ、これ以上痩せることはできないほど骨と皮状態、乳腺周囲には腫瘍があり、もはや感情の一つも表現する気力もなくなった目は乾燥しきって、涙すら出ない状況。きっとケージから出してもらえていなかったせいか、手足は湾曲し、まともな歩行すら困難。もはや食欲というより、食べる意欲も失っていた。何のために、この子は生まれてきたのだろう。

すぐに血管に管を入れ、点滴を開始し、並行して超音波エコー、血液検査などをした。

子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、貧血、脱水等々。

この子には時間がない。本来なら少しでも体の状態をアップしてから手術に入りたいところだが・・・ ・・・。

絶対に助けて幸せな余生を送らせなければならない。ここで息を止めてしまうようなことになったら。決断の時。待っているだけでは、爆弾は処理しなければ進むことはできない。

手術しましょう。すぐにでも。                                            渾身の力を込めた続編、お待ちください。ノンフィクションです。


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