県連からのお知らせ
「専門家に訊(き)く」 デジタル化:SNSのビジネス活用
近年、小規模事業者にとってSNSは「お客様との接点を広げ、信頼関係を築くための重要なツール」となっています。
商工会では、こうした事業環境の変化に対応する支援の一環として、専門家へのインタビュー企画を始めました。
第1回のテーマは「SNSのビジネス活用」。山梨県専門インフルエンサーMomokaさんをお招きし、小規模事業者が実際に成果を上げるための工夫を伺いました。

(写真:山梨専門インフルエンサー Momokaさん)
Instagram→https://www.instagram.com/yamamomo0211/
1. SNS活用の重要性と背景
職員
本日は「SNSのビジネス活用」をテーマにお話を伺います。まず、小規模事業者にとってSNSはなぜ重要なのでしょうか。
Momoka
一番の理由は「低コストで自発的に情報発信できる」ことです。
例えば広報といえばテレビCMや新聞広告掲載がまず浮かぶと思います。
広く多くの方に届けるとなると有意義な方法の一つですが、相当の金額が必要になります。
小規模事業者にとっては高額で簡単には手を出せない金額です。
職員
確かにそれでは広告を出すハードルが高いですね。
Momoka
でもSNSなら基本的には無料で始められます。
もちろん有料広告を出せば月1〜2万円でも狙った層にリーチできますが、まずは無料でできる範囲から始められるのが大きな強みです。
自分の手で情報を発信し、直接消費者に届けられる点が何より魅力ですね。
2. プラットフォームの選び方
職員
数あるSNSの中で、特にビジネス活用におすすめなのはどれでしょうか。
Momoka
おすすめはInstagramです。
日本国内の利用者数は約3,300万人で、特に20〜40代の利用率が高いのが特徴です。
飲食や観光、物販などBtoCの業種に相性が良いですね。
職員
なるほど。ではX(旧Twitter)やTikTokはどうでしょう。
Momoka
Xは約4,500万人の利用者がいて、速報性や拡散力に優れています。
文字での情報発信に強いので、業界ニュースや知識提供をしたい事業者には向いています。
TikTokは日本で約2,000万人のユーザーがいるとされ、10〜20代が中心ですが、今は30〜40代にも広がってきています。
ただ、動画編集の手間がかかるので、余力のある事業者でなければ続けるのが難しいかもしれません。
3. アカウント運用の基本
職員
アカウントを立ち上げる際に注意すべきことは何でしょうか。
Momoka
まず「目的を明確にすること」です。
売上拡大なのか、採用活動なのか、あるいはブランディングなのか。目的によって発信の仕方は変わります。
職員
なるほど。管理体制についてはいかがですか。
Momoka
人数は多くても2〜3人に絞った方が良いです。
5人以上で管理すると「誰が返事したのか分からない」「誤解を招いた」といったトラブルが出やすいですね。
職員
効果が出るまでの期間はどのくらいを見ておくべきでしょうか。
Momoka
最低でも半年は続けてください。
例えば週2回投稿すれば半年で約50本、一年で100本の投稿になります。
そのくらいの蓄積がないと効果の検証が難しいんです。
4. 効果測定の考え方
職員
SNSを始めた場合、効果はどのように測ればよいのでしょうか。
Momoka
多くの人がフォロワー数を気にしますが、それだけを追うのは危険です。
今はフォローしてもらうハードルが高く、なかなか数が増えません。
職員
では、何を見ればいいのでしょう。
Momoka
「閲覧数(インサイト情報)」を指標にしてください。
例えばフォロワーが100人しかいなくても、投稿の閲覧数が500回あれば、5倍の人にリーチできているということです。
私が関わったある店舗では、フォロワー200人程度でも毎回1,000人以上に閲覧され、新規顧客が増えました。
職員
なるほど。閲覧数を見れば「どれだけ届けられているか」が分かるわけですね。
Momoka
そうです。閲覧数が少しずつでも増えていけば、それが一番の成果だと考えてください。
5. 見てもらうための3つのコツ
職員
では、その「見てもらう」ためのコツを3つに絞って教えてください。
Momoka
1つ目は「プロフィールを整えること」です。
例えば「甲府市でイタリアンを提供、地元野菜を使ったパスタが人気」といった具合に、サービス内容と特徴を簡潔に書きます。
長文ではなく箇条書きにするのが効果的です。
職員
確かに最初に目に入る部分。ここで関心を持たれなければ先に進まないですね。
Momoka
そうです。2つ目は「投稿を闇雲に増やさないこと」。
質を重視しましょう。例えば「毎週水曜と土曜に必ず投稿」と決めれば、年間で100回程度。
これだけでも十分効果が見込めます。
職員
なるほど。では3つ目は?
Momoka
「キャプションをしっかり書くこと」です。
写真だけでは伝わらない情報を補うことで信頼感が生まれます。
例えば「このワインは地元産ブドウを使い、1日10本限定で提供しています」といった感じで書けば、
写真でわからない特別感が説明できます。
6. さらに具体的に:文章・画像・動画の工夫
職員
今のお話を踏まえて、さらに具体的に「文章」「画像」「動画」の工夫について教えてください。
Momoka
文章は、最初にキャッチフレーズを置き、補足説明を加える形が良いです。
例えば「夏にぴったり!冷製パスタ始めました」と一言で伝え、その下に「地元産トマトを使った限定メニューです」と補足する。
これだけで読みやすさが変わります。
職員
なるほど。では画像はどうでしょう。
Momoka
写真は縦で撮り、被写体を真ん中に置くのが基本です。
統一感が出て見やすくなります。暗い場所で撮った場合は必ず明るさを調整してください。
Canvaを使えば簡単に編集できます。
職員
動画についてはいかがですか。
Momoka
動画は30秒以内がおすすめです。
例えば飲食店なら「料理が完成する瞬間」や「シェフの手元の動き」を撮るだけで十分です。
1分以上の動画は構成を考える必要があり、労力がかかります。まずは短いリール動画から始めるのが現実的です。
7. 失敗例とリスク
職員
逆に、失敗しやすい例はありますか。
Momoka
一番多いのは「放置されたアカウント」です。
更新が途絶えていると「営業していないのかな」と誤解されます。
使わないなら削除するか「更新停止中」と書きましょう。
職員
他には?
Momoka
個人のプライベート投稿が混ざるケースもあります。
「週末は家族で旅行しました」といった投稿は、常連さんなら微笑ましいかもしれませんが、新規客には関係ありません。
ビジネス用アカウントでは方向性をぶらさないことが重要です。
職員
リスクについてはどうでしょう。
Momoka
SNSは誰でも始められますが、誰でも成果が出るわけではありません。
乗っ取りや炎上のリスクもあります。最低限、二段階認証を設定するなど安全対策をしてください。
8. 成功につなげる工夫と専門家の役割
職員
成功事例にはどのようなものがありますか。
Momoka
ある飲食店では、フォロワー数は500人程度でしたが、投稿閲覧数は毎回3,000件以上ありました。
その結果、週末の新規客数が平均で20%増えたんです。これくらいでも十分に「成功」と言えます。
職員
いわいる「バズる」必要はないんですね。
Momoka
そうです。「バズる」は一時的な話題に過ぎませんし、必ず売上につながるわけではありません。
むしろ「キャパを超える注文が来て混乱した」という事例もあります。
大事なのは、自分の規模に合った発信を続けることです。
職員
最後に、これから始めたい事業者へのアドバイスをお願いします。
Momoka
SNSは無料で始められますが、継続には労力と工夫が必要です。
目的を明確にし、長期的に続ける覚悟を持つこと。
そして迷ったら商工会や専門家に相談してください。事業や地域に合った方法を一緒に考えることが、成功への近道です。
まとめ
· SNSは低コストで自発的に発信できるツール
· Instagramを中心に、目的や業種に応じて媒体を選ぶ
· 運用は「目的・管理者・半年以上の継続」がカギ
· 成果測定はフォロワー数より「閲覧数」を重視
· 見てもらうためには「プロフィール・投稿・文章」を整える
· 文章・画像・動画にそれぞれ工夫がある
· 放置や方向性のブレは失敗のもと、リスク管理も必須
· 成功とは「顧客が途切れない仕組み」をつくること
· 商工会や専門家に相談することで、自分に合った方法を見つけられる
商工会では、各種経営課題に対する相談を常時受け付けています。「経営のことでお困りなら、お近くの商工会へ」ご相談ください。
