2024-02-06 14:32:00

抗がん剤の光と影

ようこそ、漢方小町堂薬心へ

 

 立春を迎え、春らしい日が続く場所もあれば、冬に逆戻りという場所もあり様々ですね。寒さというのは、人体にとっては冷えを生じさせ血流が悪くなるため、様々な臓器の機能の低下を引き起こし、また関節などの痛みも生じさせます。

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 そんな時は、体を温かくすることが大事なのでお風呂に入ったり身体を温めるような飲み物食べ物を食することが大事となってきますね。

 ところで、薬は身体によいイメージがありますが、副作用という言葉がある通り良い面ばかりではありませんね。

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 もちろん、抗がん剤にも副作用があります。その一つに白金を主成分としてつくられたシスプラチンという抗がん剤があります。このお薬は、悪性腫瘍に対して抗う抗悪性腫瘍剤です。

 白金製剤を人体に投与することによって、細胞分裂において大事なDNA遺伝子の立体的な構造を変化させDNAの複製を阻害したり、細胞の自己壊死(アポトーシス)への誘導が期待できます。しかし、がん細胞のみの細胞分裂の阻害や自己壊死への誘導のみであればよいのですが、数十兆にも及ぶ正常な細胞も同時に細胞分裂を阻害され自己壊死へ誘導されると、自分の血液を作る白血球や赤血球といった細胞まで失うこことになってしまいます。

 骨髄において白血球が正常に細胞分裂を起こし増えることができなければ、がんではなく風邪やインフルエンザの病の原因になるウイルスの体内への侵入を防ぎ戦う免疫細胞が少ないため、がんではなく風邪で命を落とす方も全国的にはいらっしゃいます。

 また、赤血球が少なくなれば、体中に酸素と栄養素を運ぶことが困難になり、体内が酸欠・栄養素不足になれば肝臓・腎臓・胃腸・心臓そして肺といった臓器が正常に動かなくなる可能性が高まってしまいます。

 抗がん剤の打ち始めは、例えばシスプラチンなどの白金製剤は腎臓への毒性が見られ、また悪心・嘔吐といった延髄の嘔吐中枢への刺激によって生じる症状で悩まされます。また、聴器毒性などもあり耳鳴り難聴聴力低下がみられる場合もありますね。さらに、長期にわたると赤血球が壊れる溶血が起こり貧血となって酸欠・栄養素不足により体がだるくなったりするため、仕事などができにくくなる可能性がありますし、視覚障害や聴覚障害を引き起こす神経毒性もありますので健康に生きたい方にとってはすこぶる健康状態が損なわれていく可能性があります。

 最初は、毒性の高い抗がん剤を肝臓や腎臓を使い解毒したり体外に排出することで、体内で起こる上記のような毒性症状を緩和させようと人体はします。しかし、それが複数回や長期に渡れば、骨髄抑制による赤血球・白血球・血小板といった細胞の再生産が不活性化し、臓器も含めた体内の安定を保つ恒常性つまりホメオスタシスの安定性を維持できなくなり、胃腸の調子が悪くなって食べれなくなり、少ない酸素や栄養素を運ばせるために心臓に過度の負担がかかり、最終的には肺での酸素と二酸化炭素の交換が十分にできなくなって、肺水腫など肺に水が溜まり、肝臓・腎臓・胃腸・心臓そして肺といった多臓器不全で命を落としかねません。

 もちろん、この毒性を十分に熟知した上で抗がん剤治療は担当医によって行われているわけですが、抗がん剤の仕組みを患者も良くよく理解した上で、ご自身の身体をよくよく考えて治療を受けるかどうかを考えることが人生百年時代にはとても重要になってくると思います。

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