お勧め図書
お勧め図書⑫
文献紹介です
福田大和 著
「恋する心エコー」−心機能は4つの線で理解できる−
超高齢社会の中、循環器疾患をお持ちの患者さんを担当する機会は多いのではないでしょうか。循環器疾患を理解する上で重要な検査は色々ありますが、その中でも心エコー検査からは多くの情報を得られます。
しかし心エコー検査を理解することに対して苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか?この本では心エコー検査から得られた情報をFrank-starlingの法則やForrester分類に当てはめながら解釈することで、臨床的にわかりやすく理解できるようになっています。
苦手意識がある方でも読みやすいテイストにもなっていますので、オススメです!
お勧め図書⑪
今回は『PICOから始める医学文献検索のすすめ』という書籍を紹介します(https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524245796/).
この書籍にはEBM,EBPTを実践するために不可欠な文献検索の精度を高めるためのヒントが多く示されています.
臨床で生じる問題は大きく「背景疑問」と「前景疑問」に分けられており,EBMは,一般的な医学知識等では説明が難しい目の前の患者についての前景疑問に対処するために有用です.
EBMの実践は5つのステップに分けられています.その第一歩が「患者の問題の定式化」です.このステップで疑問をPICOの形式で整理することが,その後の文献検索(STEP2 問題についての情報収集)の精度を高めます.PICOとはPatient(患者の疾患背景),Intervention(介入),Comparison(比較郡),Outcome(臨床転帰)の頭文字をとったものです.
私たちはPICOを用いて臨床での問題・疑問を整理し,限られた時間の中で日々大量に公開される医学情報の中から質の高い情報にアクセスする必要があります.この書籍に示された方法を用いることで,目的に応じた精度の高い文献検索ができるようになるでしょう.
「臨床でわからないことがあれば論文を調べようとしているけれど,どの論文が良いのかわからない」という方にオススメできる書籍です.EBMのSTEP3 論文の批判的吟味については,別の機会にご紹介させていただきます.