日本理学療法士協会の教育制度について

日本理学療法士協会(以下、協会)は、理学療法士の資質の向上、専門分野における職能的水準の引き上げ、自発的な学習の継続を促すため、生涯学習制度を運用しています。

2022年度より、多様化するニーズに応えうる理学療法士を育成していくため生涯学習制度がリニューアルされました。今まで以上に、国民に対して理学療法士という専門職の質を保証するために、「5年ごとの更新制」を取り入れることで、生涯にわたり知識・技術の維持・向上が可能となる制度設計となっています。

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1.①前期研修について

新入会員は、まず「前期研修」を履修します。前期研修では、「必要に応じて指導を求め、基礎的(ベーシック)理学療法を実践できるレベル」を到達目標とし、最短履修期間2年で、座学(33時間)と実地研修(48時間)を行います。カリキュラムは初期研修、理学療法の基礎、理学療法の専門性、実地研修の4講座に分かれており、いずれも無料で受講することができます。実地研修以外はe-ラーニングでの受講も可能となっており、ご自身の都合の良い時間で学ぶことが出来ます。

前期研修カリキュラムの詳細は協会HPをご参照ください。https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/asset/pdf/2272ba3491321b06c9aacc1a472f915a.pdf

 

1.②実地研修について

新生涯学習制度では、施設における新人職員に対するOJTを主体とした質の高い研修を普及させる目的で、実地研修が導入します。実地研修は、所属施設の状況(登録理学療法士の在籍有無)によって受講方法が異なります。ご自身がどの受講方法になるかは、協会マイページをご参照ください。

 詳細は協会HPをご参照ください。https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/zenki_d/

 

2.後期研修について

前期研修修了後、後期研修が受講可能となります。

後期研修では、「多様な領域で標準的(スタンダード)理学療法を臨床実践でき、学生や後輩を指導できるレベル」を到達目標とし、最短履修期間3年で、座学(76.5時間:51コマ)と実地経験(3年)を修了することで登録理学療法士を取得できます。カリキュラムは、小推論、臨床疫学(演習)。領域別研修(座学)、関連領域、領域別研修(事例)・(育成)、最近の知見の6講座に分かれており、1コマ300円程度で受講が可能です。また、領域別研修(事例)以外は、e-ラーニングでの受講も可能となっており、ご自身の都合の良い時間で学ぶことが出来ます。

 後期研修の詳細は協会HPをご参照ください。https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/asset/pdf/341e0bc9cd03c13b952d35414178a652.pdf

 

3.登録理学療法士について

新生涯学習制度では、卒後5年間を義務教育的な位置づけとし、前期研修・後期研修の受講を通して、多様な障害像に対応できる能力を有する「ジェネラリスト」の育成を行います。修了者を「登録理学療法士」とし、さらにそれを5年ごとに更新する生涯学習を明確化します。これにより、生涯にわたる知識・技術の維持と更新を促進し、社会に対する理学療法士の質の担保の証とします。

https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/asset/pdf/ee3062c6101d670853a4c8eb57687871_1.pdf

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4.認定・専門理学療法士制度について

「登録理学療法士」を基盤とし、自らの専門性をさらに高めたい理学療法士への動機づけとなる「認定理学療法士」・「専門理学療法士」の制度が構築されています。認定・専門理学療法士制度は、より専門性の高い臨床技能を有する「スペシャリスト」、いわば個性の育成プログラムです。

 制度の概要については、日本理学療法士協会の資料ご参照ください。https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/asset/pdf/93b4567c8cff764d490d0e0c6e921427.pdf