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2026-06-02 08:38:00

【海の森が消えていく時代に、私たちは何ができるのか】

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海の中には「海の森」と呼ばれる場所があります。
それが、海藻や海草によって形成される「藻場(もば)」です。

 

陸上の森が木々によって生き物を育てるように、海の森もまた、多くの命を支えています。魚やエビ、カニ、小さな生き物たちの住処となり、産卵場所や稚魚の成育場として機能しています。さらに海の水質を整え、近年ではCO₂を吸収・貯留する「ブルーカーボン」としても世界的に注目されています。

 

しかし現在、その海の森が静かに失われています。

 

日本各地の海では、「磯焼け」と呼ばれる現象が広がっています。これは、本来海藻が広がっていた海底から藻場が消え、白っぽい岩肌だけが残ってしまう現象です。昔は豊かだった藻場がなくなり、魚が減り、海の景色そのものが変わり始めています。

 

特に問題視されているのが、カジメなどの大型海藻の減少です。

 

カジメはコンブの仲間に近い大型海藻で、海の中では森のように広がります。このカジメ藻場は、多くの海洋生物にとって重要な環境です。しかし近年、そのカジメ藻場が各地で衰退していることが報告されています。

 

原因は一つではありません。

 

海水温の上昇。
高水温による海藻へのダメージ。
アイゴ、イスズミ、ブダイ、ウニなどによる食害。
海流の変化。
栄養塩や海中環境の変化。

 

これらが複雑に重なり合い、藻場の減少につながっていると考えられています。

 

気象庁の発表によると、日本近海の海面水温は長期的に上昇しており、100年あたり約1.36℃上昇しているとされています。

 

たった数℃と思うかもしれません。
しかし海の生態系にとって、その変化は非常に大きな意味を持ちます。

 

海藻は高水温に弱く、生育しづらくなる場合があります。さらに、水温上昇によって植食性の魚たちの活動期間が長くなる可能性もあります。つまり、「海藻が弱る」と同時に、「海藻を食べる生き物が増える」という状況が起きている可能性があるのです。

 

これは単なる自然現象ではありません。

 

海のバランスが変わり始めているということです。

 

藻場が失われると、魚や貝の隠れ場所や産卵場所が減少します。アワビやサザエなどの餌場も失われます。そしてその影響は、水産業や地域経済、私たちの食生活にもつながっていきます。

 

さらに藻場は、ブルーカーボンとしての役割も担っています。

 

海藻や海草は光合成によってCO₂を吸収し、一部は海底や深海へ移動し、長期的な炭素貯留につながると考えられています。つまり藻場を守ることは、生態系保全だけでなく、気候変動対策にもつながる可能性があるのです。

 

一般社団法人日本エシカル塗装協会では、海の環境再生に関わる取り組みの一つとして、カジメ藻場の調査協力を開始しました。

 

今回の取り組みでは、カジメを保護用のカゴの中で管理し、生育状況や食害の影響などを観察しています。

 

増えるのか。
減るのか。
食べられるのか。
その環境で育つのか。

 

こうした小さな観察を積み重ねることで、現在の海の状態を知る手がかりになります。

 

もしカゴの中では育ち、カゴの外では育たないのであれば、そこには今の海が抱えている問題が見えてくるかもしれません。

 

私たちは専門研究機関ではありません。
しかし、海の変化に危機感を持ち、地域や調査団体の取り組みに協力し、伝えていくことはできます。

 

塗装業界は建物を守る仕事です。

 

外壁や屋根を長持ちさせることで、建物の寿命を延ばし、資源消費や廃棄物、CO₂排出の削減にもつながります。

 

そして今後は、建物だけでなく、海や森、地域環境、未来そのものを守る視点が必要だと考えています。

 

藻場を守ること。
海を知ること。
現状を伝えること。

 

それは決して一部の専門家だけの問題ではありません。

 

私たちの暮らし、漁業、環境、未来はすべてつながっています。

 

海の変化は静かに進んでいます。
だからこそ、まずは知ること。
現場を見ること。
記録すること。
そして、多くの人に伝えていくこと。

 

その小さな積み重ねが、未来の海を守る大切な第一歩になると、私たちは考えています。

 

 

 

 

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