ブログ

2026-03-30 08:00:00

【その“適正単価”、本当に中身を見ていますか?】

最近、お客様や業者の方との会話の中で「うちは適正単価でやっています」「相場通りの金額です」という言葉を耳にする機会が増えました。
ですが、その“適正”とは一体何を基準にしているのでしょうか。

塗装工事は、一見すると同じように見えても、その中身は全く異なります。
単価という数字だけを見て比較できるほど、単純なものではありません。

まず分かりやすい違いとして「塗料」があります。
塗料には様々な種類があり、耐久性・機能性・価格は大きく異なります。
当然ながら、高品質で高耐久な塗料を使用すれば材料費は上がり、工事単価も上がります。
逆にコストを抑えた塗料であれば、単価は下がります。

ここまでは多くの方が理解されている部分だと思います。

しかし、本当に重要なのはその“中身”です。

同じ「無機塗料」「フッ素塗料」といったグレード表記でも、実際の成分や配合を見ると、全く別物であるケースが少なくありません。
塗料メーカーが付けているネーミングは分かりやすさを重視している反面、誤解を生みやすいのも事実です。

「無機塗料」と書かれているからといって、すべてが同じ品質・同じ耐久性とは限りません。

実際には、塗料メーカーにもはっきりとしたグレード差があります。

同じ“無機塗料”という分類であっても、
一流メーカーの無機塗料と、二流・三流メーカーの無機塗料では、
樹脂の質、無機成分の割合、耐候性、密着性、長期的な安定性など、全てにおいて大きな差があります。

当然、その差は材料原価に反映され、結果として工事金額にも大きな開きが出てきます。

つまり、見積書に「無機塗料」と書かれているというだけで、同じ土俵で比較すること自体に無理があるのです。

さらに重要なのは、塗料だけではありません。

・資格を保有しているかどうか
・日々、知識や技術の勉強を継続しているか
・お客様や第三者からの指摘に対して、すぐに成分表や根拠資料を提示できるか
・アスベスト調査や法令対応を正しく理解し、実施できるか
・施工後の保証体制が明確に整っているか

こういった“目に見えない価値”こそが、工事の品質と安心を大きく左右します。

正直に申し上げると、
ただ塗るだけの業者と、常に知識をアップデートし、根拠を持って施工する業者とでは、
同じ単価になる方が不自然だと考えています。

例えば、何か指摘を受けた際に、
すぐに成分表を提示し説明できる業者と、曖昧な返答しかできない業者。
どちらが信頼できるかは明確だと思います。

また、資格の有無や法令対応も同様です。
今の時代、アスベストに関する知識や対応は避けて通れない重要な分野です。
これを理解し、適切に対応できるかどうかで、工事の安全性は大きく変わります。

こうした背景を考えれば、
「同じグレードだから同じ価格でできるはず」
という考え方自体が、現実とはかけ離れていると言わざるを得ません。

むしろ、材料・知識・管理・保証・法令対応のすべてが違う中で、
単純に金額だけを合わせることの方が、無理のある話です。

だからこそ私は、「適正単価」という言葉だけが独り歩きしている現状に疑問を感じています。

その言葉の裏には、説明を省略したり、比較を簡単に見せたりする意図が含まれている場合もあります。
ですが、それでは本当に大切な部分が見えなくなってしまいます。

お客様にとって大切なのは、
「安いか高いか」ではなく、
その価格の中にどれだけの価値と責任が含まれているかです。

・なぜこの塗料を使うのか
・なぜこの施工工程が必要なのか
・なぜこの金額になるのか

これらを明確に説明できるかどうか。
そこに業者としての本質が現れると考えています。

私たちは、安売りをするつもりはありません。
その代わり、価格の中に確かな根拠と価値を込めています。

そして、お客様にも協力業者の皆様にも、
その“中身”を理解していただいた上で選んでいただきたいと考えています。

これからの時代は、表面的な「グレード」や「単価」ではなく、
その裏側にある本質を見抜く力が求められます。

誰でも簡単、無料でつくれるホームページ 今すぐはじめる