ヒプノセラピストのブログ(日記)

2022-11-30 23:23:00

2018年11月30日の公認心理師国家試験の合格発表時の受験体験投稿を備忘録として。。。

2018年11月30日に公認心理師試験の合格発表がありました。
その時のSNS投稿が思い出として上がってきたので忘備録として再掲します。

     記

おかげさまで第1回 公認心理師 の国家試験に合格いたしました😊

合計 156問、4時間の試験でした。

厚生労働省のサイトで解答チェックしたら、私の正答率が70%だったので合格基準60%を余裕でクリアしていました。(^-^)v


嬉しかったのは、大学や受験専門会社の解答速報修正版の共通正答でも納得いかなかった問題が3問ほど自分の考えが正しかったことです。(厚労省の解答が正しいとは言いきれませんが)

この試験は他職種との連携を強調しているので、今までの心理職としての視点だけではなく、統合的にみることが要求されてはいます。
個人的にこれで3つめの国家資格ですが(分野は違いますが)、今まで取得した資格のように何か新しい特別な技術が身についたという高揚した感覚はあまりありません。

私の場合は取得したからといって何かが変わるわけでもないし、、、
なんとなくシンクロに乗って勢いで受験した感じです。
逆にいうと、これから内容を育てていく資格だと思っています。

*      *      *      *      *

以下は私見・雑感ですので、ご興味のない方はスルーしてください!^_^)

1、心理職の資格化について

2、1ケ月間の試験対策
3、利権と受験産業
4、法による制約と責任の所在  (法42条の2の解釈)
5、来年受験される方に


1、心理職の資格化ついて
試験中「心理職の資格試験が単に知識を問うペーパー試験だけではどうなん?」と考えていました
(↑試験に集中しろよっ!笑)
例えペーパー試験で80%、90%点が取れたとしても心理職としての力量は測れません。
むしろ心理職の適正は心的態度に表れると考えます。
なので出来る事なら二次試験制度にし実技試験、それが時間や予算的に不可能なら、せめて集団面接など二段階にすれば良いかと思います。

2、1ケ月間試験対策
8/11に受験資格審査の通知が来て受験確定してから受験日9/9まで〝1か月弱という短い時間でどれだけ有効な勉強ができるか〟を諦めずに考えました。(^^;)

対策は、、、

ア、
今更、新しいことを習得するより、今あるものを深めていく
                  (↑あるのか?笑)
逆に未知の科目である関係行政論(司法犯罪、教育児童、社会福祉)には中途半端に手を出さない。
尚、産業労働に関しては産業カウンセラーでもあるのでヤマをかけた。
(ストレスチェック制度、リワーク:職場復帰支援など、、、旬のテーマだけに。結果、本試験に想像通り出ました)

イ、
5年の暫定特例期間は 臨床心理士試験レベルを越える難易度になることはないハズと自己都合(?笑)で判断。
(結果、心理の基礎を問う試験が全問中4割〜5割くらい締めました)

ウ、
診断基準について、、、
私の頭の中は DSM-Ⅳ のままだったので、これをDSM-5に読替えすることに重点を置きました。
さらにWHOのICD-10(国際疾病分類)はもう頭に入ってきませんので(笑)これはさすがに覚えることを諦めました。

上記より試験までの1ヶ月間は基礎心理学、臨床心理学、精神医学だけに絞って復習しました。
その方が短い期間に新しい分野を無理して一から覚えようとするよりストレスが少なくて良いです。

*)もちろん公認心理師と他のカウンセラー・心理士資格は試験や業務の目指す範囲は一部の分野がかぶっているだけの別物資格ですので本来ならこんな勉強の仕方はダメです。
あくまでも時間が限られたからです。😝

3、利権と受験産業
受験するプロセスで感じたことは、この国家資格が政治的にいろいろな団体の思惑や利権の調整と受験産業が動いているのがいろんな場面でひしひしと感じられて、妙な違和感を感じました。
この違和感が試験勉強のモチベーションを下げました。⤵️
またその違和感は試験問題の傾向にも表れていました。😠

また出版物も緊急で次々と出版されました。
多くが現任者講習会テキストの単なる解説本、あるいは既存の出版物に手を加えタイトルに焼き直したもの など。 
致し方ないのかもしれませんが。

4、法による制約と責任の所在(法42条の2)
「心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」
これは医療機関でなくても民間のカウンセリングルームにクライエントが来られても適用されるようです。

例えばクライエントがうつで通院中なら「うつの寛解を目的としたセッション」を受けに来られた場合は医師の指示書?がいるということですね。
ただ、そのクライエントが恋愛で悩んでカウンセリングに来られたら、「恋愛問題で医師の治療を受けていない限り」指示書はいらないということでしょうかね。
法の解釈としてはそう受け取っています。 
これはスプリット トリートメントを避ける為にも良いことだとは思いますが、メンタルで通院中のクライエントさんの公認心理師資格を持つ民間セラピールームへの敷居は高くなります。

反面、今まで出来る限り避けていた疾患レベルのクライエント層を一定の条件のもとに受け入れることもできます。
ただ今までの倫理的責任に法的責任が追加します。
そうなると民間のセラピールームでも医療機関の末端としての責任の所在を問われることにもなります。
この件は今後国から運用基準が出てくると思います。

大切なことは、制度に組み込まれながらも目の前のクライアントに不利にならないような心理職としての矜持を持つことだと思います。


5、来年受験される方に  (注)2018年度時点での投稿内容です
来年受験される方が私同様に、心理系大学や大学院卒でない方なら、先ずやるべきことは、、、
臨床心理士試験と心理学検定の勉強をすると良いでしょう。
心理学検定は関係行政論もある程度含みますので、これで国家試験の50%前後は対応できるはずです。

次に試験日直前に出版された「公認心理師基礎用語集ーよくわかる国試対策キーワード117」で関係行政論の概要を読みます。
概要を把握するだけでも事例問題に対応できました。
但し、2019年は改定されるはずですし、もっといろいろな対策本が出るはずです。

尚、現任者講習会テキストは参考程度に、サマリーと捉えるとよいでしょうね。
これは公認心理師の制度や立ち位置を知る為のものです。
またこのテキストに記載されている基礎心理学については浅い内容ですので、これだけではまったく試験対策にはなりません。
(改定された2019年度版が先日出たようです。)

妙に気になったのは同テキスト(2018年初版)本文中「フロイトをはじめとした精神分析を重視しながらエビデンス云々」という言い回しが何回か出てきたので、アレッ?と思っていました。これは反動形成か?(笑)
結果、やはり本試験では防衛機制をはじめとする力動論(無意識系)の設問はあまり出なかったので、国の方針として “見えない心は扱わない” ということでしょう。

医学的には、心 = 脳
なんでしょうね。

なので国試受験における臨床心理の勉強は学習理論、行動療法、人間性心理学などを中心が良いと思います。
トランスパーソナル心理学や催眠療法、前世療法などは間違っても国家試験には出ません(笑)

心理療法は意外にも森田療法が午前と午後の両方に出ました。
日本の心理療法が出題されるなら、予想していたのは森田療法と内観療法を錯誤させる設問だと思っていましたが、森田療法単独で2問でした。
難問ではないものの臥褥期など一歩踏み込んだ設問でした。
反面、内観療法は出なかったのは成り立ちに宗教的背景があるからか?

その他の心理療法についてはそれほど難問は出ませんでした。
CBTやフォーカシングなどは基礎的内容でした。

反面、心理検査は、、、意外にも一歩踏み込んだ設問でした。
バウムテストの解釈法が出ましたが答えられませんでした。悔しいです。

脳機能と抗精神薬は副作用も含めて出ますね。
(抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、抗認知症薬、抗てんかん薬、睡眠薬、精神刺激薬)+  m-ECT、磁気刺激療法 など医療現場で使われそうな技法も今後は出てきそうです。

あと余裕があれば試験委員の専門分野を調べれば参考になるでしょうね。
厚生労働省のHPに出ています。

今回の試験委員に限っては、医師や心理の専門家ばかりで、法律の専門家はいませんでした。
なので予想通り、法律の設問は多くは出題されず、出題されても基礎的なものでした。
また心理師の試験なのに医師(医学者)の比率がやや高い気がしました。

2019年度はどうなるかわかりませんので、発表されている来年度の試験委員を見るとよいでしょう!


今回の国家試験の難易度を私見として概観すると、、、(産業カウンセラー試験比)


基礎心理学  : ちょっと優しい

臨床心理学  : フツー〜やや難しい

医学  : 難しめ

精神薬学  : やや難しい

法制度  : 基礎レべル

事例問題  : 読解力+現場経験

出題形式  : 優しい(宅建士試験比)



やはり心理師らしい傾向です。

来年以降、受験される皆さま頑張ってくださいね!

                       2018年11月30日投稿に一部加筆修正