お知らせ

2023-04-01 12:41:00
駒った話

時計の電池交換の話です。時計の裏蓋を開けて電池交換してまた閉める。これが作業の流れですが閉めるのに工具で圧入する時計が増えてきてます。薄い高級時計など手で吸い付くように閉まるものは少なくなり神経を使う作業が多くて疲れます。中にはつわものも出てきて金属でできた駒では対応できない時計もあります。写真のディーゼルの時計も難物です。時計のガラス面(表側)がカレンダーののぞき窓になり突起しています。これではガラス面全体を駒で受けて裏蓋を圧入できません。そこで木材の登場です。加工がしやすく早くできます。この突起を逃がしてガラス面全体を受け駒で受けます。パチンと裏蓋が閉まり作業完了です。ちなみに1ミリの厚さのガラスを全体で受けて上から圧力をかけても割れないのは、先生の話を信じるからです。私がこの作業で学校で習ったのは大道芸人の話です。寝ている人のおなかの上の大きな板の上にコンクリートブロックを置きハンマーで割る芸です。先生は圧力の分散の話を分かりやすく説明してくれたのです。50年近くこの作業をしてますが1度もガラスが割れたことはありません。信じる人は救われる。

 

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