お知らせ
今年の3月頃から高野山に来られる外人さんがたくさんいます。当店のショウウィンドウを覗いて笑い声が聞こえます。
その後来店され、こちらからリーディンググラスィーズ?ポイント2?など必要なことを聞いて掛けてもらいます。夫婦や友人が老眼鏡を掛けると
大きな笑い声が出ます。よほど外人は丸い形が面白いのか、または海外旅行先で気分が高揚しているのか不思議ですが私も一緒に笑ってしまいます。。
今までは普通の老眼鏡を展示していましたがほとんど注目はなく、丸いものに変えてからよく購入していただきます。人を笑顔にするうれしい商品との出会いでした。
時計の電池交換の話です。時計の裏蓋を開けて電池交換してまた閉める。これが作業の流れですが閉めるのに工具で圧入する時計が増えてきてます。薄い高級時計など手で吸い付くように閉まるものは少なくなり神経を使う作業が多くて疲れます。中にはつわものも出てきて金属でできた駒では対応できない時計もあります。写真のディーゼルの時計も難物です。時計のガラス面(表側)がカレンダーののぞき窓になり突起しています。これではガラス面全体を駒で受けて裏蓋を圧入できません。そこで木材の登場です。加工がしやすく早くできます。この突起を逃がしてガラス面全体を受け駒で受けます。パチンと裏蓋が閉まり作業完了です。ちなみに1ミリの厚さのガラスを全体で受けて上から圧力をかけても割れないのは、先生の話を信じるからです。私がこの作業で学校で習ったのは大道芸人の話です。寝ている人のおなかの上の大きな板の上にコンクリートブロックを置きハンマーで割る芸です。先生は圧力の分散の話を分かりやすく説明してくれたのです。50年近くこの作業をしてますが1度もガラスが割れたことはありません。信じる人は救われる。
毎年恒例の年末大売出しを実施しています。今年は、7月に受けた国家資格の一級眼鏡作製技能士の合格発表が11月末にあり、無事合格することができました。勉強したことをメガネ作製に生かしていきたいと思います。特典をいろいろご用意しております。ご利用ください。
電池式時計の修理で同じ機械を新品で交換するのはわりとスムーズにいきますが製造中止になり後継機となると厄介なことが
多々あります。基本的にはムーブメントの大きさが同じでケースに入りますが針の高さが違ったり巻真が違うため龍頭(時間を合わせるところ)をはずして巻真調整をします。巻真の長さは0.1ミリの精度・針の高さの違いは0.25ミリ精度です。
全集中の作業も終わりレモン味の炭酸水を飲みながらホームページにUPしています。ちなみに今回はエルメスのケリーウォッチのムーブメント交換修理です。
兵庫県のお客様からセイコーの2週間巻きゼンマイ柱時計の修理依頼がありました。ケースの内側に張り紙があり、「昭和32年12月15日 祖母より結婚祝いとしていただく。〇〇 24歳」と書いてありました。大切な思い出の詰まった時計だから“生かせ時計”の精神で修理しようと思いました。機械を見ると、鋼鉄でできたゼンマイの開く力が弱っていました。 まずゼンマイを取り外して3メートルに伸ばします。次に自動巻きの油とシリコングリスを混ぜた油を塗布して30分以上磨きます。するとゼンマイが滑って開くようになりました。次に楕円状に摩耗した歯車のほぞ(軸)の入った穴を専用のタガネで丸く修正します。次に古い油のこびりついた部品を洗浄しながら磨きます。組み立て・調整・注油をして無事に動き出しました。最後は時間調整と10日以上の作動確認です。私はこの時計より1歳年上ですが、40歳を過ぎてから5年に一度の入院を繰り返し、体のメンテナンスをしています。どちらも新品の部品交換ができないのが悩みの種です。(笑)