草如庵

蒲の穂から綿毛がふわふわと飛んでおります。

昔は蒲を燃やすと蚊遣り効果があるとされていたそうです。

それならば刈りとって来年まで干しておこうと思っておりましたが、

遅れをとってしまいました。

『春は梅梢に在りて雪を帯びて寒し』

天童如浄禅師の言葉が思わず浮かぶ、雪の降る夜の景色です。

本物の梅の花が咲くのは3月下旬頃になるでしょうか。

玄関を入ってすぐ硝子越しに見える石垣です。

『野面積み』という最も古い年代の積み方で、１６世紀戦国時代によく用いられたそうです。

自然石を加工せずに積み上げた石垣は見た目には崩れ易そうですが、表面に出ていない部分が土の中に深く入り込み、石と石とが重力で動く余地の無いよう組み合わせてあります。

沢山ある隙間は、雨水を溜めずに外に出す効果があり、粗野な外見ですが大変強堅です。

この上は竹林の中を通る道になっていて、古くからそれを支え続けてきた石垣に、この土地の歴史を感じます。