ごあいさつ
写真
気持ちいなー。
看護師さーん。もうちょっとだけ大きいサイズお願いしまーす。
体調悪いので退院拒否します。里親に適当に言っといてくださいねー。それにしてもこのムートン、気持ちいなあー。
これは電気メスです。ABCが搭載されているタイプという点がちょっと優れものと言えます。ABCとはアルゴンビームコアギュレイション
といって止血をする機能です。もちろん電気メスでも切開と同時に止血効果もあるのですが、より完全な止血効果が可能となります。
大型犬の開腹手術などは皮下からの出血が多いのですがABCを使うと一瞬にして綺麗な切開創になるなんとも優秀な機械です。
しかし私の所でもそうなのですが、近年他のレーザーメス類の台頭によりちょっと立場が危うくなってきました。窓際で休憩してる時間が
長くなってきています。
これは超音波メスといいます。
この機械は約２０年くらい前から使っており２代目になっていますが、私のお気に入りのものです。
これは切ることと止血を同時に行うことができ、血管を結紮してから切断するするという手術の常識を見事に変えてしまった
優れものです。簡単に言うと血管をシーリングし切開するシステムということです。
この機械を使用することで手術時間が大いに短縮し、かつ血管を結紮する糸を体内に残すことがなくなったことが利点であり、後に
ミニチュアダックスやゴールデンレッドリバーなどで多発するようになった体内に残した結紮糸に脂肪が反応を起こす脂肪織炎
が、この機械の出現によりほぼ見られなくなったのはありがたいことです。
これは半導体レーザーメスです。
これは疼痛緩和および創傷治癒などの治療にも使われますが、主に超音波メス同様、血管のシーリングと切開に使われております。また蒸散と言って、個体を気体にしてしまう効果があるのも特長です。
これが優れているのは用途が豊富である点です。内視鏡下の手術、椎間板ヘルニア、緑内障、悪性腫瘍などなど利用価値が高いのが特長です。
細かい仕様についてはその時々で解説していきたいと考えております。
これはCO2レーザーメスです。
これも他のメス類と同様に切開と止血を同様に行うものですが、優れている点は切開創から離れた場所、つまり接着せずに使用することです。
さらに水分の多い場所、例えば口腔内などでもその影響を受けません。しかし他のメス類と比較して止血効果がちょっと弱い点、直線でしか使えないので
内視鏡の手術では使えないのが欠点ですが、体液が豊富なケースでも使えるのは最大の利点です。
また半導体レーザもそうなのですが、蒸散、つまり個体を気体に変えてしまうこともできます。例えば腫瘍という塊を気体にに変えて取り除くことができるのです。これも大きな利点です。
