一言法話

2023-06-11 07:20:00

94.生前戒名授与式


6月15日は、お大師さまの誕生日、当院では毎年この日の午後1時より「青葉まつり」の法要を行っています。今年はコロナ禍の数年には中止していた生前戒名授与式も併せて執り行います。
生前戒名授与式とは、言葉の通り、生前に戒名を授ける儀式です。生前に戒名?と思われる方も多いかと思います。今現在、戒名はお葬儀の時に授けられることがほとんどですが、本来の戒名は意外に思われるかもしれませんが、その方が生きている間に授けられていたものなのです。一般の方が生前に戒名を授かることは日本において平安時代末期から始まったとされています。

仏教には、戒(いましめ)といわれるものがあります。戒めとは、仏教徒として心掛けるべき指針です。生前戒名授与式を受ける方には、その戒めを守り、仏の弟子としてふさわしい生活を送りますとの誓いをたてていただきます。そのことにより、戒名が与えられるというのが正式な形になります。

生前に戒名を授かることにより、自分は正式な仏教徒なのだという自覚が芽生えますし、生きる指針となる戒めに照らし合わせた生活をおくることができます。でありますので、日光院では、生前に戒名を受けていただくことをお勧めしているわけです。また、ご相談いただければ、自分が希望する漢字を戒名の中に入れることも可能です。

今年は5名の方が生前戒名授与式を受けられます。来年の青葉まつりは諸事情により残念ながら生前戒名授与式は行うことができません。
それ以降ということにはなってしまいますが、是非、生前に戒名を受けられることをご考慮ください。