一言法話

2022-11-10 22:37:00

73.護摩

 

今月の3日、小樽市内の御寺院様にご参集いただき、大般若転読法要を執り行いました。肌寒く雨混じりの中ではありましたが、たくさんの檀信徒の皆様に参拝いただきました。

大般若転読法要は祈願の法要になりますが、この法要にあわせ護摩祈祷を行いました。

護摩祈祷により、煩悩を不動明王の智慧の炎で焼き尽くします。同時にお香や穀物等様々な供物を炎の中に捧げ、私達の願いが書かれた添え護摩木を炎の中に投じ、願いを仏さまに届け、その願いが成就することを祈るのです。

 

護摩祈祷は不動明王を本尊として行うことが多いのですが、不動明王のお姿は激しい怒りの忿怒の形相です。不動明王は真言宗の本尊、大日如来が衆生を教化(仏教の教えにより悟りへ導くこと)するため、あえて忿怒の姿に形を変えたのだともいわれます。では不動明王はなぜ忿怒の姿をしているのでしょうか?不動明王は右手に三鈷の剣を持ち、左手に羂索(けんじゃく)という縄を持っています。私達の煩悩を断ち切るのが三鈷の剣であり、羂索の縄でもって、私達を一人残らず仏道に導き、悟りへの道を歩ませようとしているのです。そのあまりにも強い意思により不動明王は忿怒の姿となったのです。ですから不動明王の忿怒の表情は悪を断ち切り、良き道へと導こうという強い心の表れであり、強い慈悲の心の表れだといえるのです。

 

日光院では祈願法要(2月4日ー星祭り 6月15日ー青葉祭 11月3日ー大般若転読法要)と不動明王の縁日の毎月28日(冬季は休止)に護摩祈祷を行っており、どなたでも参拝していただけます。お電話等で時間を確認していただき、どうぞお参り下さい。