一言法話

2022-11-01 00:00:00

72.加持

 

早いもので今日から11月、今年もあと2か月となりました。
11月3日の午後1時より当院にて大般若転読法要を厳修いたします。この法要が当院での今年最後の法要となります。
大般若転読法要は六百巻からなる『大般若経』を転読(経題を独誦し、経本をめくり広げること)する法要です。
当日は、参拝された皆様に六百巻のうち、特に重要だと考えられる第五百七十八巻の『般若理趣分』によるお加持を受けていただきます。
僧侶より『般若理趣分』の経典で後頭部と左右の肩をポンポンと叩いていただき、その加持力によって、難から逃れ福を呼び込んでいただきます。
お大師さまは『即身成仏儀』の中で本来の加持の意味をこのように著しています。

加持とは、如来の大悲と衆生の信心とを表す。仏日の影、衆生の心水に現ずるを加と言い、行者の心水よく仏日を感ずるを持と名づく

加持の「加」は常に私達一人一人の心に余すところなく注がれている仏さまの慈悲の心を表し、その仏さまの慈悲の光を私達が感じて、受け取らせていただくことを「持」と言います。
ですから、お加持は、仏さまの御心を受け取らせていただく私達の思いというものがとても大事になってきます。仏さまの慈悲心と、その御心を受け取る私達の信心が一つに合わさった時に本来のお加持は成し遂げられるわけです。