一言法話

2021-11-11 00:00:00

37.他人の短を言うことなかれ

 

先日の日本ハムファイターズの新しい監督、新庄剛志ビックボスの会見をご覧になったでしょうか?私は録画して後から見たのですが、会見の最初から最後まで目が離せず、すっかりその虜となってしまいました。北海道民として来年度のペナントレースが楽しみでたまりません。

新庄さんは会見の中で選手への「指導方法」を問われた際にこう答えていました。
「やっぱり人間性というものは大事であって、人の悪口は言わない、いただきます、ありがとうございました、の言える選手は育てていきたいですね」
この言葉を聞いて思い出したことがあります。

『己の長を説くことなかれ
他人の短を言うことなかれ
人に施しては謹んで思うことなかれ
施しを受けては謹んで忘るることなかれ』
この言葉は崔子玉という後漢の書家が書いた座右の銘で、お大師さまはそれを筆写し大切にしていたといいます。

「自慢話をするな」
「他人の短所(悪口)を言うな」
「施しを進んで行い、恩着せがましくするな」
「受けた恩は忘れるな」


お大師さまのような方であっても、常にこれらのことを大切にし、決して驕ることなく、身を律しておられたわけです。そのお人柄もあり、多くのお弟子さんから慕われ、当時の嵯峨天皇をはじめ様々な方からの信頼をあつくされ、真言密教の教えを弘められたのです。