一言法話

2021-01-21 00:00:00

8.星祭り

 

新しい年が始まり、今年は特によい年になりますように、との願いを強く持たれる方が多いでしょう。昔から、人は空の星々の動きが天変地異や個人の運勢に関係していると考えてきました。若い女性に人気の西洋占星術はそれを発展させたものですが、真言密教にも東洋のホロスコープといえる考え方があります。お大師さまが中国(唐)から持ち帰った「宿曜経」(すくようきょう)正式名は『文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経』、インドから伝わった暦学と占星法のお経です。ここには人間は天上の星の運行によって運勢が決まると説かれています。

日光院では、毎年24日に「星祭り」を行っていますが、この「星祭り」はまさに星に願いをこめ、災いを遠ざけ人の幸せを祈る法要です。星祭りの「星」とは九つの星「羅睺星、土曜星、水曜星、金曜星、日曜星、火曜星、計都星、月曜星、木曜星」のことで、これを「九曜星」といいます。この「星」は一年ごと順に巡り、毎年の運勢は年齢に応じて順々に移り変わるとされます。

昔から特に慎重にすごすべき年と言われてきた「厄年」は男女ともに61歳(昭和36年生まれ)と男性は25歳、42歳、女性は19歳、33歳、37歳となっています。それらすべての歳は九曜星の凶をあらわす●となります。この場合、年齢は必ず数え年で、しかも生まれた日を旧暦でみます。明治5123日を「明治611日」と定めて以降今の太陽暦に改められましたが、宿曜経は旧暦に則った考え方だからです。1月、2月生まれの方は旧暦でみると、前の年生まれということになる場合があります。なお皆様の旧暦での年齢、並びに数え年はお寺の方で生年月日からお調べいたします。

このご時世ですので、今年の「星祭り」は命穀供養(次回の一言法話にてご説明します)と、ご焼香をしていただいた後は、なるべく本堂には留まらないようお願いいたします。お申し込みいただいたお札(紙札千円 木札三千円)は後日、お寺又は寺茶房に取りに来ていただくか、月参りの時にお持ちするか、郵送いたします。毎年恒例の豆まきも今年は中止といたします。
下記の九曜星の表をご覧いただき、黒丸に当たっている方、特に「厄年」の方はご注意いただき、そうでない方も今年一年、難を避け幸いが増すよう共に祈りましょう。