一言法話
2026-07-01 15:59:00
132.時にはじっくりと
早いもので1年の半分が過ぎました。時の移ろいの速さに気ばかり焦ってしまうような感覚に陥ったりしますが、だからこそ地に足をつけ心落ち着かせてじっくりと過ごす時間を持たねばならないのだと思います。
私たちは今、とても便利な時代を生きていると言えます。欲しいものはネットで、すぐに注文できますし、知りたいことは瞬時に調べることができます。遠く離れた人とも簡単につながり、多くの情報に囲まれながら暮らしています。
しかし、その便利さの中で「何となく心が落ち着かない」と感じている方も少なくないでしょう。受け取る情報が増えると、ついつい自分と誰かを比べてしまい、不安や焦りを抱えやすくもなります。
あの人みたいになりたいな、あんな生き方をしてみたいな、そんな風に思うことは悪いことではありませんが、人の生き方をねたみ、あの人に比べて自分なんて…と卑屈になってしまうのでは、自分で自分に苦しみの種を蒔くばかりです。
そんな時は少し立ち止まり、やはり心落ち着かせ、自分の心を見つめ直す時間を持つことが大事です。
仏教は心を調え、縁によって生かされている命を大切に尊ぶ教えです。尊ぶべきは自らの命だけではもちろんなく、他の命も同じです。
人は自らと他を比べ、優劣をつけることで苦しみを作り出し、自らと他を同じように尊いものだと認めることで安らぎを得ます。
便利さを追い求め、移ろいが速い世の中だからこそ、時にはゆったりとした時間の中で、じっくりと自分を見つめ、心豊かに生きていきたいものです。