一言法話
119.口は何の元?
人間は万物の霊長と言われますが、その賢さの根拠は道具と言葉を使用できるからだといいます。言葉はお互いの気持ちや知識を伝え合うことのできる大切な手段ですが、口は災いの元と言うように使い方を間違えるととんでもないことにもなります。先日も前農林水産大臣が国民の反感を買うような発言をし、結果農林水産大臣を辞任することにまでなってしまいました。
仏教にはよりよく生きるための指針となる十善戒といわれる十の戒めがあります。
十の戒めは行いの戒め、言葉の戒め、心の戒めの三つに分けられるのですが、この中で言葉の戒めは一番多く四つあります。
不妄語(ふもうご)…嘘をつかない
不綺語(ふきご)…飾り立てた言葉を話さない
不悪口(ふあっく)…悪口を言わない
不両舌(ふりょうぜつ)…二枚舌を使わない
しかしどうでしょうか。よりよく生きたいと、この四つの戒めを守ろうとしても、それは簡単なことではないということがお分かりいただけるかと思います。
普段の生活の中で私たちはつまらない嘘をついたり、おべっかを使ったりしてしまうものです。それだけではありません。そんなつもりはなかったとしても自分が発した言葉で誰かを傷つけてしまうこともあるでしょうし、こちらの思いが意図した形で伝わらなく、誤解を生んでしまうこともあるものです。そういった意味でも、やはり口は災いの元です。
しかし、言葉は悲しみに暮れる人を励ましたり、不安で落ち込んでいる人を勇気づける力にもなります。そのような言葉を発することが出来れば口は幸いの元となります。
言葉は善きにつけ悪しきにつけ大きな力を持っています。そんな言葉というものを私たちは日々大事に使っていかなくてはいけないですね。