一言法話

2024-03-01 21:07:00

114.どのような香りを


今年も早いもので2ヶ月が過ぎました。今月の中旬には南から次々と桜の開花宣言が出されていくことでしょう。まだまだ寒さ厳しい地域に住む北海道民にとっては春の桜の季節を待ちわびる今日この頃です。

お大師さまは知り合いのお母さまが亡くなってから、三七日の時に、あるご文をおくっています。その中に私たちの身と心を花に例えたこんな言葉があります。

「身は華とともに落つれども 心は香りとともに飛ぶ」
私たちの身体は花と同じようにいつかは落ちてしまう(亡くなってしまう)けれども、心は花の香りのように舞い上がり、浄土に昇っていく。


亡くなった人の香り(その人の生き様やその人が残した足跡)はこの世に残る人達の心に残るものでもあります。
この世に生まれてきた以上、誰もがいつかはこの世から旅立たなくてはいけません。
お大師さまの先ほどの言葉は、その旅立ちの時、この世にどのような香りを残せるのかということを私たちに問いかけているのかもしれません。