インフォメーション
高性能住宅の落とし穴(かなりマニアックな内容です。UA値に興味のある方だけお読みください)
高性能住宅のメリット?:(一定基準をクリア出来ていれば、良いんじゃないですか)
来月から着工する架空のお客様のデータです。
N様は・・・大手ハウスメーカー、パッシブハウスジャパン加盟店等の住宅会社6社の中からカノウヤ夢工房を選んでいただきました。
パッシブハウスジャパンはUA値が0.3を切る位の高性能住宅でした。
窓が極端に少なく単純な立方体だったと思います。
UA値を突き詰めると、もちろん性能は上がりますがコストも上がります。
カノウヤ夢工房では、性能とコストと光熱費のバランスを考えています。
最初に基礎となる前提をお伝えします。
「性能が上がれば上がるほど快適な生活が送る事が出来る…訳ではない」という事です。
私は10年以上前に室蘭工科大学の鎌田教授の講座を受けていました。
当時鎌田先生がおっしゃっていた事は・・
「ZEH基準(5地域では0.6)をクリアしていれば、人間が感じる快適性はそんなに変わるものではない・・・」という事でした。
そこで私は安全を見て…
ZEH基準からさらに数値が20%高性能のHEAT20 G1と読み替えて・・・
「G1基準をクリアしていれば、人間が感じる快適性はそんなに変わらない」と考えています。
例えば分かり易い様に車のケースで考えています。
4,576万円で566馬力のランボルギーニ アベンタドールでなくても・・・
国産スポーツカー260万円の130馬力マツダロードスターでも高速道路を200kmで十分に走る事ができます。 なにも300キロなど出る必要は無いと思います
まあそもそも100キロが制限速度ですから、捕まったら一発免停ですね(汗)。
ただ世間には4,576万円出してもランボルギーニに乗るんだ!と言う信望者も、
ある程度いらっしゃいますので、否定するものではありません。
※僕はBMWのi8に乗ってみたいと思っています
要するに、住宅においてはUA値がG1基準の0.48を切っていれば快適性は殆ど変わらず光熱費が幾分下がるだけ。それ以上の性能追及はランボルギーニと一緒で自己満足の世界になるのかな~と私は思っています。
ここからは、大切なお金の比較をしてみます。
N様は施工床面積36.19坪で住宅本体工事額が2,646万円(キッチンはタカラ製でかなりこだわりました、サッシは樹脂トリプルガラス)。
そこにミーレ食洗器、エアコン2台、エコキュート、ソーラーフロンティアCis太陽光発電4.37kWの計248万円プラスの2,894万円が契約金額です。
この内容でUA値が0.48の丁度G1基準です。
住宅ローンはフラット35Sの1.12%(団信付き)で83,321円です。
1年間の光熱費はLIXIL省エネ住宅シミュレーションREPORTより・・・
167,360円-太陽光発電削減101,990円=65,370円。
1か月平均にします5,447円
ここで120万円のコストアップで付加断熱(工法)を採用すると・・・UA値が0.37になります。
契約金額が、2,894万円+120万円=3,014万円
この場合住宅ローンはフラット35Sの1.12%(団信付き)86,776円です。
1年間の光熱費は161,720円-太陽光発電削減102,030円=59,680円。
1か月平均にします4,973円
簡単に言えば・・G1からG2(ちょい手前)にすると・・(しても・・・)
1か月の電気代は474円減りますが・・・(5,447円-4,973円)
住宅ローンは3,455円増えます。(86,776円-83,321円)
簡単に言うと…
120万円余分に描けてG2基準にした(近づいた)としても、
快適性と光熱費はあまり変わりません。
住宅ローンだけ3,455円上がるだけですσ(^_^;)
次にG1に太陽光発電28万円で1kWをプラスする事を考えてみます。
(今回のプランでは4.3kWがMaxです)
2,894万円+28万円=2,922万円
住宅ローン 84,128円 807円増えます
光熱費:売電が増える:1,200kWh÷12か月×19円=1,900円の売電収入が増える(10年間:11年目からは900円) ※自己消費分はすでに消化
どちらの方が、費用対効果が高いかは一目瞭然ですね。