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日記

2023-07-19 17:57:00

大正時代の道路交通に関する法令

 道路交通法は現行制度です。大正時代には道路取締令(大正8年)という法律がありました。道路交通法が全132条に対して、道路取締令が全31条です。

ちょっと中身を見たいと思います。

第一条 道路を通行する者は左側に依るべし

第二条 歩道、車道等の区別ある道路に於ては其の区別に従い通行すべし

隊伍(隊列)、神輿、葬列其の他の行列は車道を通行すべし但し児童、幼児の隊伍(隊列)は此の限りに在らず

小兒車(ベビーカーのことでしょうか)は歩道を通行すべし

*第2条で歩行者の通行が出てきましたね。交通弱者としては、乳幼児のみ、記述されています。先に進んでみましょう。

第三条 牛車、馬車、自動車其の他の重き車輛は歩道を横切るべからず。但し通路の特別の装置ある場合又は最寄警察官吏の承認を受けたるときは此の限りに在らず

第四条 牛、馬、諸車等行逢うときは互いに左方に避譲すべし

第五条 牛、馬、諸車等前方に在る者を追越す場合は止むを得去るときを除くの外前者は左方に避け後者は其の右方を通過すべし

第六条 進行中の消防車、郵便車、傷病人運搬車及隊伍、神輿、葬列に対しては避譲すべし

第七条 牛、馬、諸車等は左の場合に於ては音響器を鳴らし又は掛聲(かけ声)其の他の合圖(合図)を爲し(行い)除行すべし

(左の場合においての中身は省略)

第八条 牛、馬、諸車等は夜間燈火を用井すし(用いることなし、かな?)にて通行すべからず

第九条 鉄道又は軌道の踏切を通過せむとするときは汽車、電車等の接近せさることを確めたる後通行すべし

第十条 牛、馬、諸車等は安全地帯内を通行するべからず

*ちょっと休憩です。本文はカタカナになっていますので、ひらがなに直し作業をしています。当時、主に牛馬が道路を使用している様子をうかがいしれる条文ですね。目の不自由な方などの歩行については、ここまでなにもでてきませんね。続けて調べていきます。

第十一条 道路の交差点、曲角、隧道(すいどう)又は橋梁等に牛、馬、諸車等を駐むべからず

第十二条 荷車の輪帯幅は左の制限に従うべし

第十三条 荷車の積載量は車體(車体)の重量を合せ左の制限を超揺ることを得ず 自動車 千四百貫 牛車  四輪車 五百五十貫 其ノ他 四百貫 馬車 四輪車 五百貫

其の他  三百五十貫  大車  二百貫

第十四条 荷車ノの積荷の容積は左の制限を超ゆることを得す

(積荷の容積記載は省略)

第十五条 地方長官は土地の状況、道路、橋梁又は車両の構造若は装置の依り第十二条第一項、第十三条及び第十四条ノ制限に異りたる規定を設くることを得

第十六条 第十三条、第十四条の規定又は第十五条に基く命令に依る荷車の積載量、其の積荷の容積の制限を超ゆる物にして分割すへからさる場合は出発地警察官署の許可を受くるべし

第十七条 管理者は道路に関する工事の爲必要あるときは道路の通行を禁止し又は制限することを得

第十八条 地方長官は危険予防其の他公安上必要と認むるときは道路の通行を禁止し又は制限することを得

警察官吏は危険予防上其の他公安上必要と認むるときは一時道路の通行を禁止し又は制限することを得

第十九条 道路を掘削し又は道路に物を置く場合には縄張、點燈(照明のことかな?)其の他危険防止予防に必要なる装置を為すべし

第二十条 沿道の土地に物を堆積し又は立て置くときは倒壊、崩落を防ぐに必要なる装置を為すべし

*20条まで進めました。通行する牛馬などのことから、道路工事など移動するものへの取り締まり以外の内容が書かれてきています。しかしながら目の不自由な人など、交通弱者についての記述は引き続き見当たりません。31条まで目を通していこうと思います。

第二十一条 道路又は沿道の土地の於て工作物を建設、撤去若は修繕し又は其の他の作業を為すときは土砂、瓦石、竹木、金物等の道路に飛散又は墜落するを防ぐに必要なる装置を為すべし

第二十二条 警察官署は道路及沿道の土地に於ける工作物其の他の施設及物件に付其の占有者に対し危険防止其の他交通保全の為必要なる措置を命ずることを得

第二十三条 道路に於て物を運搬するときは其の飛散、漏出、墜落及危険を防ぐに必要なる装置を為すべし

第二十四条 道路に於いて乗馬又は諸車運転の練習を為すべからず 但し交通稀疎(まばらで少ないこと)にして危険の虞(おそれ)なき場所に於ては此の限に在らず

第二十五条 交通頻繁なる道路に於いて児童、幼児に遊戯を為さしめ又は保護者なくして幼児を歩行せしむべからず

*第25条で、乳幼児の歩行についての規制事項が出てきました。保護者という用語も、この時代から使用されていたことがわかりますね。

第二十六条 道路に於いて煙火、空気銃、吹矢の類を弄(もてあそぶ)し又は投石、投球等危険の行為を為すべからず

第二十七条 第二条、第三条第一項、第二項、第四条乃至第八条第一項、第十条及第二十五条ノ規定に違反したる者又は第三条第三項の規定に基ク禁止に違反したる者は科料に処す

第二十八条 第十一条、第十三条、第十四条、第十六条、第二十三条、第二十四条及第二十六条の規定に違反したる者、第十二条第一項ノの規定又は第十五條の規定に基く命令に依る輪帯幅の制限に違反したる荷車を使用し若は同条の規定に基く命令に依る荷車の積載量、其の積荷の容積の制限に違反したる者又は第十七条、第十八条の規定に基く禁止若は制限に違反したる者は拘留又は科料に処す

第二十九条 第十九条乃至第二十一条の規定に違反したる者又は第二十二条の規定に基く処分に違反したる者は百円以内の罰金又は拘留若は科料に処す

第三十条 前条の罰則は之を法人に適用す

法人に処罰すべき場合は其の代表者を以って被告人とす

第三十一条 本令に規定するものの外道路法第四十九条の規定に基く命令は地方長官之を定む

これで全ての条文を読んでみました。交通弱者の通行については2条、25条で乳幼児のことを記しており、目の不自由な人に対することなどは、記述がありませんでした。

大正時代に施行された道路取締令は昭和に入って道路交通取締法、そして道路交通法へと変わっていきます。もう一つ、大正時代に施行された自動車取締令なるものがあるらしく、

こちらも大正8年ですから道路取締令と同時期に施行された法律ですね。

ちょっと調べてざーっと、流し読みしてみると、

16条に障害者に対する内容が記されています。

 

第十六条

 運転手の免許は試驗に合格し左の各号の一に該当せざる者に之を與う(与える)

 一 十八歳未満の者

 二 精神病者、聾者、唖者又は盲者

 三 其の他地方長官に於いて不適当と認むる者

 

盲者には運転免許証は与えない、という明記がみられます。

こちらは附則条文も数えると全部で37条。また、ゆっくりと目を通してみたいと思っています。

今日はここまで。

もう夜ですね。

今日も1日お疲れ様でした。

また明日。 by 永瀬 賢

2026.10.17 Saturday