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2026 / 06 / 28  12:00

インタビュー:飛鳥株式会社 代表 辻 正道さん

インタビュー:飛鳥株式会社 代表 辻 正道さん

本日は明日香村飛鳥で金属加工業を営んでいる、飛鳥株式会社 代表 辻 正道さんにインタビューをさせていただきました。

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記者:
本日はよろしくお願いします。御社の業務内容をお教えください。

辻:
主力は金属加工で、船舶のエンジンを守る「海水こし器」やフォークリフトの駆動部品などを製作しています。特に船舶部品は安全に関わる重要箇所なので、非常に厳しい基準と精度が求められるんです。

記者:
それだけ精密ですと、コストや効率の面でご苦労も多いのではないでしょうか?

辻:
手間がかかる仕事は敬遠されがちで、廃業する町工場も増えました。しかし、私たちは“誰かがやらなければならない仕事”にこそ価値があると思っています。 

記者:
そこまで覚悟を持って引き受ける原動力は、どこからくるのでしょうか。

辻:
困っている人を助けたい、その一心です。以前、火山の噴火で軽石が大量漂着し船が動かせなくなった際、エンジントラブルを防ぐ装置を急造しました。採算度外視でも助けを求められたら応える。その積み重ねが信頼になり、結果として技術の進化にもつながったと思います。

記者:
2025年からはものづくりの枠を超えて、地域のお土産づくりにも取り組まれているそうですね。この明日香村への思いからなのでしょうか。

辻:
はい。明日香村は世界遺産候補地でありながら、名物や産業が少ないという課題があります。そこでまず、耕作放棄地の再生に着手しました。地元資源の価値を引き出し、クラフトビールという形で地域産業をつくろうと考えたんです。

記者:
畑づくりからとは驚きです!どのようなビールなのですか?

辻:
明日香らしさを醸し出すため、赤しそを使った赤いビール「朱雀」、黒米を使った「玄武」など、四神をテーマに展開しています。地域の色や物語を味わっていただけるよう意識しました。

記者:
味だけでなく、地域の文化や魅力まで“飲める”。そんな印象を受けますね。他には、どのようなアイテムがございますか?

辻:
真鍮の廃材を活用した「熊鈴」や、明日香村をイメージしたトートバッグなどですね。真鍮の廃材につきましては長年制作してきた技術を生かして、金属メダルを作ることを決意しました。重量感もあり、皆様に喜んでいただける製品になっていると思います。彫刻の方は彫刻技術を活用し、写真をそのまま転写できる形になっております。今回明日香村とコラボさせていただき、素晴らしい製品に仕上げて世界に届く新しいお土産として、皆様に喜んでいただけるようなものを作っていきたいと思っております。革製品は、伝手を活かしてプロ野球選手が使うグローブの革の端材を譲り受け、財布やキーケースなどに加工しています。

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(※金属メダルは試作品です)

記者:
グローブの革なら品質は間違いないですね!厚みがあってしっかりしているのに、柔らかくて使いやすそうです。端材の活用で環境にも配慮されているのですね。

辻:
はい。さらに、縫製は大阪の就労支援施設にお願いしています。彼らが安定した工賃を得て自立できるよう、機材や型紙を提供し、技術指導も行いました。 

記者:
最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

辻:
新しい世界遺産のあり方を明日香村から示すことです。観光客が来て終わりではなく、一般的な枠組みでは働きづらい方などが安心して輝ける場所をつくりたいですね。技術と現代の仕組みを調和させ、明日香村に雇用と人を残す。それが一番の恩返しであり、生涯をかけた挑戦だと思っています。

記者:
素敵なお話、ありがとうございました!