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あすかのまほろば:古民家再生宿 株式会社サンジミアーノ 代表取締役 樫井 理紗さん インタビュー
今回は明日香村川原の宿泊施設・レンタルスペース「あすかのまほろば」、明日香村岡の「明日香の宿」を運営している、株式会社サンジミアーノ・代表取締役 樫井 理紗さんに「あすかのまほろば」「まほろの宿」についてインタビューをさせていただきました。
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記者:
本日はよろしくお願いします。こちらの宿はオープンしてどれくらいになりますか?
樫井さん:
本日はよろしくお願いします。こちらはちょうど2年くらいですね。
(和室↓)
記者:
会社は大阪にあるとのことですが、明日香村でこのような宿を始められた理由は何だったのでしょうか。
樫井さん:
弊社は大阪で不動産業を営んでいるのですが、あまり一般的な住宅は扱わず、地主さんの物件をお世話することが多かったんです。
その中には空き家や、ボロボロになって「解体しようか」という物件もありました。
ただ、場所的に解体するには惜しかったり、解体してしまうと「再建築不可」になってしまうような物件も結構ありました。
ちょうど関空の利用者が増えて民泊が増えてきた時期だったので、1軒買い取って始めてみたのが、民泊運営のスタートでした。
当時はまだ法律が整備されようとしている時期で、今後住宅を扱うなら古い家の良さを生かした「日本らしい宿」を特徴にしたいと考えたんです。
日本の古い村並みが残る場所を探す中で、日本の原風景が残る明日香村に辿り着きました。
記者:
明日香村に宿を作ろうと決心した決め手は何でしたか?
樫井さん:
明日香村は「空き家バンク」のシステムが整っていて、地域の皆さんの空き家を見せていただける仕組みがあったのが大きかったです。
記者:
古い物件を扱う地域を探される中で、明日香村がぴったりだったのですね。
樫井さん:
はい、何軒か物件を見る中で決めました。
記者:
改修にあたって、大変だったことはありましたか?
樫井さん:
明日香村の景観規制などは、私たちが目指すものと
一致していたので、そこは特に問題ありませんでしたが、「古い部分を残しつつ、どのように再生していけば良いのか」といった葛藤は多少ありましたね。
記者:
なるほど。では、この「あすかのまほろば」の建物自体について、詳しく教えていただけますか。
樫井さん:
ここはもともと農家の住宅で、江戸時代の農家によくある間取りなんです。
広い土間があり、水屋があり、和室が4間並ぶ伝統的な造りです。
江戸末期に流行った、門に部屋を作る形式も取り入れられています。
当時は作業員の方の部屋や農具入れとして使われていたのでしょう。
記者:
歴史を感じる造りですね。
樫井さん:
はい。その後、家族が増える中で離れができたのだと思います。
壁をめくった際に出てきた新聞から、少なくとも100年以上の歴史がある、明治時代頃の建物だと推測しています。
この建物はずっと使われていたようで、以前の持ち主のおばあさんが最後まで住んでいらして、お風呂などは増築して使われていました。
使っていない部屋には古い建具や家具がたくさんしまわれていました。
記者:
それらの古いものはどうされたのですか?
樫井さん:
蔵もありましたが、傷んでいたので解体しました。
でも、そこで眠っていた建具などは今回の工事でも再利用しています。もともと付いていたものと、しまわれていたものを組み合わせてリフォームしました。
記者:
昔からあったものと新しいものの共生ですね。
樫井さん:
はい。古い建具は動きが悪い部分もありますが、ここは住まいではなく宿ですので、それも味わいとして残しています。
中には痛みが激しいものがあり、作り直したものもあります。
記者:
改修にはどれくらいの期間がかかりましたか?
樫井さん:
こちらの宿は1軒目の改修のすぐ後だったので当初はそれほど資金をかけられませんでした。
そこで商工会にも相談し、「不動産特定共同事業法」に基づく特別な資格を活用して、一般の方から投資を募ることにしたんです。
記者:
クラウドファンディングのような形式でしょうか?
樫井さん:
そうですね。通常の投資という形ですが、そのような資格を利用して小規模な資金調達を行いました。
その企画を立てるのに時間がかかりましたが、実際の工事は、古い木造建築に詳しい大工さんと相談しながら、耐震補強も含めて半年ほどで行いました。
記者:
半年というのは、かなりスピーディーですね。
樫井さん:
企画自体は2年ほど前から始まっていました。
離れをどうするか、レストランにできないかといった検討に時間を費やしましたね。
最終的に、多額の費用がかかる大規模なレストラン化は断念し、古い建物を活かした今の形に落ち着きました。
記者:
現在はどのような形で活用されているのですか?
樫井さん:
2025年からは事務所を移転し、ここはテナントさんの共有スペースや貸切スペースとして募集しています。
大阪からスタッフが来てみんなで掃除をしたり、忘年会をしてみたりしながら、少しずつ形を整えてきました。
記者:
古さと新しさが混ざって、とても良い雰囲気ですね。
樫井さん:
ありがとうございます。
最近は住宅でも焦げ茶色が流行っていますが、私は昔の住宅の自然な色のままが良いと思い、あえてそのままにしています。
記者:
これまではどのような使われ方をしてきましたか?
樫井さん:
掃除を始めた2022年頃からは、レンタルスペースとして人気アニメのコスプレ衣装で写真を撮る方や、写真スタジオ、自主映画の撮影などに使われてきました。
学生さんがPVを作ったりすることもありましたね。
記者:
「まほろの宿」は、どのようなお客様が来られますか?
樫井さん:
最初は日本人が多かったですが、最近は外国の方も増えています。
車を借りて京都から南下してくるアメリカの方や、フランスの方もいらっしゃいます。
また、一棟貸しなので、20~30代の男性5人グループで泊まる方もいます。
記者:
5人で泊まれば、1人あたりの料金もお得ですね。
樫井さん:
そうですね。
1人1万円くらいで泊まれるので、キッチンで料理を楽しんでいるようです。
ミニキッチンなので片付けは大変ですが、若い方にも利用しやすい価格設定にしています。
また、和室なので赤ちゃん連れのご家族にも喜ばれますね。
(キッチン↓)
記者:
食事の提供はどうされていますか?
樫井さん:
現在は食事の提供は行っていません。
近隣の飲食店をご案内したり、デリバリーなどは行わずに近隣の店舗を紹介したりしています。
あくまで「ハード(建物)」を提供する不動産業としてのスタンスを大切にしています。
(寝室↓)
(昔の刷りガラスを使用しています)
(足元にも光を取り込む工夫がされています)
記者:
こちらの建具ですが、何か手を加えられたのでしょうか?
樫井さん:
ええ、表面を一度解体してもらって、新しい部分を作って貼り直していただいたんです。
(玄関近く・欄間↓)
(風呂場↓)
樫井さん:
木の素材について、あえて塗りの部分は少なくしています。
その分、傷はつきますし汚れも目立ちますが、自然の浄化作用のようなものがあると感じています。
記者:
冬場の寒さ対策などはどうされていますか?
樫井さん:
玄関をどう区切るか、釘をどう打つかなど、少しでも暖かく過ごせるように工夫しました。
記者:お部屋の明るさについてはどうでしょうか。
樫井さん:
ここは北向きなので、電気を消すとどうしても暗くなってしまうのですが、その分、入ってくる光がとても優しいんです。
向こう側は西日が強いですが、こちらには西日は入ってきません。
記者:
確かに、優しい光ですね。窓ガラスも素敵です。
樫井さん:
これは昭和時代の柄が入ったガラスなんです。
今はもうなかなか手に入らないものですが、2枚分ほど取れたので使わせていただきました。
(縁側からは柔らかい光が入ってきます↓)
記者:
最後に、宿泊を検討されている方へメッセージをお願いします。
樫井さん:
日本の方にも、「昔はこんな家がいっぱいあったな」と懐かしんでいただけたら嬉しいです。
水回りは綺麗にしていますので、1泊だけでなく2泊くらいして、静かな環境でゆっくりと明日香村の時間を味わっていただきたいですね。

















