教室ブログ
「伴奏者に、拍手を。」
見えない努力に光を当ててくださった、忘れられない言葉
前回のブログでは、合唱コンクールの伴奏を通して育まれる「成長の過程」についてお伝えしました。
伴奏者として選ばれるまでには、技術だけではなく、責任感や粘り強さ、仲間を思う気持ちなど、たくさんの力が育っていきます。
そして今日は、その努力が報われた瞬間に、私自身が深く心を動かされた出来事をご紹介したいと思います。
「伴奏者に、拍手を。」
この言葉を聞いた瞬間、思わず涙があふれそうになりました。
昨年、娘の合唱祭でのことです。
審査委員長の先生が講評の前に、会場に向かってこうおっしゃいました。
「皆さんが勉強している間も、ピアノの練習をしてくれた伴奏者に、まず拍手を送ってください。」
その瞬間、会場いっぱいに大きな拍手が広がりました。
伴奏者一人ひとりに向けられた、温かく、心からの拍手。
その光景を見ながら、「努力を見てくださる方がいる」ということが、本当にうれしく、胸がいっぱいになりました。
見えない場所で積み重ねる時間
ピアノは、一人で練習する時間がほとんどです。
何度も同じフレーズを繰り返し、
思うように弾けなくて立ち止まり、
それでもまた楽譜に向かう。
そんな時間の積み重ねは、舞台の上では見えません。
特に伴奏者は、自分が上手に弾けばよいというものではありません。
歌う仲間の呼吸を感じ、支え、合唱全体を一つにまとめるという、大きな責任があります。
だからこそ、技術だけでなく、周りを思いやる心や集中力も求められます。
努力を積み重ねてきた高校生のYちゃん
今、その努力を積み重ねているのが、高校生のYちゃんです。
部活動を終えると、急いで電車に飛び乗り、レッスン室へ。
疲れている日もあると思います。
それでも、「もっと良い演奏を届けたい」という思いを胸に、一音一音を丁寧に磨き続けてきました。
その積み重ねが実を結び、このたび合唱コンクールの伴奏者に選ばれました。
選ばれたことはもちろん素晴らしいことですが、それ以上に価値があるのは、そこへ至るまでの歩みです。
限られた時間の中で努力を重ね、自分自身と向き合い続けてきた日々は、きっとこれから先もYちゃんの大きな財産になるでしょう。
主役ではなくても、なくてはならない存在
伴奏は、決して目立つ役ではありません。
けれど、その演奏があるからこそ、歌う人は安心して声を響かせることができます。
仲間の気持ちを一つにし、音楽を支える。
そんな大切な役割を担う伴奏者は、まさに合唱を陰で支える存在です。
だから私は、昨年耳にした「伴奏者に、拍手を。」という言葉を、今でも忘れることができません。
努力は、すべてが目に見えるわけではありません。
それでも、その積み重ねを見てくれる人がいて、認めてくれる人がいる。
そのことを、生徒さんたちにも伝えていきたいと思っています。
努力する過程が、未来を育てる
教室では、「結果」だけではなく、そこへ向かう過程を何よりも大切にしています。
できなかったことに挑戦した日。
あきらめずに練習を続けた日。
少しずつ自信をつけ、表情や音色が変わっていった日。
その一つひとつが、生徒さんの心を育て、未来につながる力になります。
その成長を、これからも楽しみに応援しています。
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