”ふぉるつぁ”で受けられる発達支援・療育について
—応用行動分析(ABA)とは—
”ふぉるつぁ”で取り入れている発達支援・療育の方法は『応用行動分析 (ABA) 』と呼ばれるものです。
ABAでは、人間の行動は、その人自身の考え方や性格だけではなく、周りの環境から影響を受けているという考え方をします。ここでいう環境とは、「行動を起こす直前の状況」と「行動を起こした直後の状況」のことを言います。「行動を起こす直前の状況」をA、「そのとき起こした行動」をB、「行動を起こした直後の状況」をCとして、ABC分析を行うことが重要だとされています。
例えばこんな状況を思い浮かべてみてください。あるお子さんが、お母さんと一緒にお菓子売り場の前にやってきました(A)。そすうると、お子さんはお菓子を欲しがって大声でわめきだします(B)。お母さんは周りの目も気になるし、耐えかねてお菓子を買ってあげることにしました(C)。さて、このお子さんは、お菓子が欲しいと思った時にどうすることを学ぶでしょうか?
—強化と弱化—
かなりの確率で、「お菓子が欲しくなったら泣いたりわめいたりすれば、お母さんはお菓子を買ってくれるぞ♪」ということを学びそうです。
このように人間の行動は、行動の直後に何か望ましいものが手に入ったり、嫌なものが遠ざかったりすると増えます(強化)。逆に、行動の直後に望ましいものが遠ざかったり、嫌なものが降りかかったりすると減ります(弱化)。ABAでは、この原理を応用してお子さんに身に着けてほしい行動を獲得させたり、逆に望ましくない行動を減らしたりできると考えます。ただし、ABAでは基本的には弱化の手続きは使いません。弱化はいわば“罰”に当たりますが、ABAでは罰を出来る限り使わずにお子さんに関わることを大切にしています。
—選択的注目—
では、弱化を使わずにどうすれば困った行動を減らしていくことができるでしょう。その方法の1つが、“選択的注目”と呼ばれるものです。
でも、この対応には問題があります。お子さんがお菓子を欲しがること自体は何もおかしなことではありません。小さな子どもであれば、自然な欲求です。ですが、問題なのはその欲求を表現する方法です。お子さんが、どういう方法では要求が叶わなくて、代わりにどうすれば要求が叶うのかを学べるように導いてあげるのが、支援者の役割です。
まずは、泣きわめいたり叩いたり、そういった方法でお子さんが欲求を表現する時には一貫して要求を叶えない姿勢を貫く(叱る、怒るとはちょっと違います)ことが大切です。同時に、正しい方法で要求を表現できたときには、「優しくお願いできてえらいね!」と最大限の注目を与えます。あるいは、お菓子を我慢できたときには「欲しい気持ちを我慢できるのってかっこいいことだね!!」と賞賛するのもいいでしょう。このように、注目する(強化する)行動と注目しない(消去する)行動を選択して関わるので、“選択的注目”と呼びます。
とはいえこうした関わり方は、間違えると温かみが無く厳しいものになりすぎる場合があります。また、目標とする行動を正しく学んでもらうためには、様々な工夫が必要になります。正しい知識や基本を身に着ければ、お家でお父さんお母さんが自分で取り組むことができるようになりますが、はじめは専門家の助けを借りることをお勧めします。
応用行動分析(ABA)を子育てに取り入れることでどのような効果が期待できるかについては、スタッフブログの中の「応用行動分析(ABA)を子育てに取り入れることの効果」という記事で取り上げていますので是非ご覧ください。
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