お知らせ
2018-01-12 10:20:00
明けましておめでとうございます。
今年は戌年ですね。
そこで年の初めに、年頭のご挨拶の代わりに犬に因んだお話を一つ申し上げます。
私たちが日々お茶室で励む「おけいこ」
この字を漢字で書くと、ちょっと難しい字ですが「稽古」となります。
お茶をはじめ、日本の伝承文化である生け花や武道の剣道、弓道を習う事を「稽古」とは表現しても
「練習」とは言いません。
なぜ「稽古」なのでしょうか。
稽古とは
古の人が考え、作り出し、編み出した物事に当たり
一度の習い事で通り過ぎず「一旦留まり」
簡単に次に進んでしまうことを「引き留め、遮り」
自分で良く出来たかどうか「よく考え」
先輩や同僚、あるいは自分より下の人の手前やしぐさを「良く計り、良く見比べ」
自分の立てた「目標に至り、到達し」
自分の技として体や腕に「技や力として蓄え」
自分自身を高めて行くことだと教えてくれています。
「稽古」の「稽」に含まれた「犬」の字の意味。
中国で漢字が考え出されるそれ以前から「家畜」として飼われ、番犬として、そして使役犬として
そしてなによりも私たちに「癒し」を与えてくれる愛玩犬として生活を共にしてきた犬は
進んでも、止り、留まり、また進み、そして戻り、また進む
稽古が意味する「動きや行動」を暗示しているのでしょうか。
この一年、このような稽古を皆さんとともに試みたいと念じています。
今年もよろしくお願い申し上げます。
小林 蕉洞