市政活動報告・代表質問 他
自由民主党、南区選出の島本京司でございます。高橋泰一朗議員、西村義直議員に引き続き、代表質疑をさせていただきます。よろしくお願い致します。
私は、福祉や教育、環境問題や安心安全のまちづくりなど、多くの大切な問題の根本的課題として、まず何よりも財政・予算の問題、そしてその財源である税収の自然増加を目指す上で、京都市全体としての経済の活性化と、それに伴う民間企業や市民生活・家計の潤いが必要であり、そのためは本市行政が地域経済に於ける心臓または動脈的なポンプの役割を果たして良好な経済循環をつくり、閉塞性の蔓延する民間経済の中に、起爆剤的な効果を生み出す施策こそがいま切実に求められている、との観点から質問をさせていただきます。
はじめに、市が発注する公共事業、とりわけ、地域経済にとっては非常に大きな影響と効果をもたらす大規模な公共工事等の発注・入札・契約の方法についてお尋ねします。
近年、全国的あるいは世界的な傾向としてWTO世界貿易機関、政府調達協定、または民間資本力の活用というPFI手法の考え方から、本市による巨額物件の発注においては、総合評価方式が主流となるとともに,いわゆるデザインビルド、つまり設計・施工を一括して公募入札するという方法も採用されています。これによるメリットとしては、一括して大きな建設企業いわゆるゼネラルコンストラクチャーズ:ゼネコンにすべてをまとめて任せることにより、発注側である本市業務の軽減化も考えられます。
が、しかしその一方で、この方式では、建設を受注したい会社が、予定物件、たとえば学校校舎や区役所庁舎、公共施設などの、発注側たる本市の希望デザインの設計をしてからの入札が条件となるため、必然的にそのような巨額の先行投資による設計業務ができるところ、またはそうして落札できなかった場合の投資損益をもカバーできるような企業しか入札できない状態となっていました。そしてこれが京都では無く、たとえば東京や大阪といった他の大都市にあるような資本力の大きなゼネコンなのであります。
本来ならば、このような京都の大切な公共建築物こそ、京都市内のさまざまな企業が、皆それぞれ協力して各会社の得意分野を生かし、特に大きな物件であればあるほど、それぞれが責任をもって任せていただき、京都ならではの伝統と、永年培われてきた現代の匠の力を結集して、そんな業務をどんどんとこなしてゆくことにより、他府県の大企業にも負けないくらいの、あるいは他府県の業務をも次々と受注してこの京都に大きな利益を持って来れるような、そんな企業に成長させていただきたい、他ならぬこの京都の力で育ててほしい、と願うのも当然のことであります。
しかし現実は、市内の中小企業は、よくてもその他府県ゼネコンの下請け・二次請け、さらにその下となり、当然のことながらそれは採算ぎりぎりもしくは赤字覚悟の厳しい条件での請け負いや資材納入、使用機器の受注生産…という実情でありました。ただ、それならばまだしも、時にはそれら下請けさえ、そのゼネコンの地元である他都市の業者に行ってしまう場合には、これはつまり何億円、何十億円、時には何百億円という京都市民の多くの税金が、わざわざ他都市の経済を潤おすために流出しているという、非常に悔しくも勿体ない現象となっています。
いかがでしょう、せっかく京都市の税金で、京都市が京都市民のために建設する、京都の大切な建造物なのです。できることならば100%を目指すと言って良いほど、京都市内の企業、人員、技術や資材を結集して、他都市の大手ゼネコンにも負けないくらいの物を、オール京都パワーでつくれるようになることを目指すべきではないでしょうか。そして、その予算がまたしっかりと地元経済や市民生活の隅々まで浸透し、循環することによって、経済の活性化や雇用促進の起爆剤となるような、そんな民間活力のための心臓・動脈の役割を、京都市行政は果たすべきではないでしょうか。
そこで、近年のこの状況をどのようにとらえて考え、そしてこれからのまちづくりと地域経済効果における公共工事の重要性をどのように認識しておられるのか、市長の見解を、先ずお聞かせ下さい。
次に、入札制度の改革及び公契約条例についてであります。
先の市長選挙において門川市長はマニフェストの中に「市内中小企業の受注拡大と地元雇用の創出などを総合的に目指して、公契約基本条例を制定すると同時に入札制度改革を行う」とされ、またこの取組においては限界まで挑戦するとの決意を述べられました。そこで私は先ほど述べた市内中小企業の現状認識をふまえた上で、この内容についてお尋ねします。
最初に入札制度の改革、つまり公共工事における市内中小企業の受注拡大についてであります。私ども自民党市会議員団は昨年来、諸処の委員会や質疑、または議会の付帯決議においても、この市内企業の受注拡大を強く主張してまいりました。そして行財政局にも受注拡大や、下請け・使用設備・機器などの市内調達にも取組んでいただきました。私は、限界まで挑戦するという門川市長の言葉の真意には、WTOの枠組みや、他都市との競争の中で、何よりもまず京都経済と雇用、そして市民生活を守り抜くことを第一義として、様々な規定や制約に対しても、京都府や他の地方自治体が努力しているものと同じように、確固たる信念と判断基準・見解をもって対処し、取組んでゆく改革断行の決意の表れであると期待していたところであります。
ところが、今般実施される京都会館の改修、これは総予算100億円を超えるものとなりますが、これにつきましては現在、今までの取組や付帯決議にもかかわらず、総合評価方式、デザインビルドの方向ということでは大変残念に思うところとなります。ついては、地元企業の受注機会が与えられるよう発注仕様書への記載など、更なる配慮を強く要望するものであります。
そもそも、このようなデザインビルドの手法においては、何から何まで全部まとめて発注するため、建築工事と電気工事、その他の設備工事等々について分離して発注することができず、結果的にゼネコンに仕事が行ってしまい、地元の実績ある建築会社や電気等の設備会社は、下請けでしか仕事が回ってこないことになるのです。今後は、このような公共建築を担当する都市計画局が、強いリーダーシップを発揮して、市内事業者の受注拡大につながるよう、個別事業を所轄する局とも十分連携して進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。そして、さらなる入札制度の改革、限界に挑む決意をどう実行されていくのかと合わせてお答えください。
次に、公契約基本条例についてお聞きします。
私は、この条例の重点目的は、あくまでも京都経済の活性化のためのものでなければならないと考えます。
もしも、その中に市独自の最低賃金などの規定を設けるようであれば、それはすでに厚生労働省が公正・中立の立場で毎年しっかりと地域ごとの特性や景気動向などの諸条件から算出している地域別の最低賃金法の規定をも否定し、また、ダブルスタンダード的な混乱をも招くこととなり、しかもそれを上回るような金額設定となれば、これは完全に、京都市という公的機関が、条例という名の拘束力を以って、業務発注との交換条件に、民間の自由な企業努力や競争力を抑圧・阻害するものとなります。これは昨今の厳しい企業経営や労働環境を改善することにはつながりません。
現代社会においては各会社が独自に社員の業務に対する取組意欲の向上策を講じ、しっかり頑張る社員にはそれ相応に応える条件を以って努力をしているのが事実、当然そうしないと企業の発展もないのが事実であり、逆に仕事をしてもしなくても最低これだけは貰えるといったような条件・社風では社員みんなの気運や仕事に対するモチベーションも低下し、会社は弱体化し、ひいては倒産や失業率を増大させ、最終的には地域経済全体の更なる景気悪化に拍車をかけることとなるだけで、決して雇用の確保や経済の活性化につながるものとはならないのです。
この点をしっかりと熟慮された上で、市長は今後予定されているこの条例ならびに改革の最終目的、またはその重点をどのように考え、そしてそのためにどのような取組をされるのかをお答え下さい。
次に、今年夏の電力不足対策についてお尋ねします。現在、関西電力大飯原子発3・4号機再稼動の見通しが立たない中、夏を迎えるにあたって政府は関電管内で14.9%の電力が不足するとの見通しを示しており、15~20%相当の厳しい節電要請がなされる様子です。昨年の夏は、大震災直後の切迫した雰囲気と緊張感の中、国民みんなが力を合わせ、強く呼びかけられていた夏・最盛期の節電要請を一丸となって乗り切りきった、という感がありました。ただ、その時点はまだ4基の原発が稼動して337万キロワットの供給量が確保されていたのに対し、今回は原発稼動がゼロであることによる電力減少は確実であるにもかかわらず、この電力不足率のそもそもの数値根拠におけるあいまいさによる節電気運の希薄化なども考慮すれば、実際的には昨年以上の節電努力を想定しておく必要があるのではないかと考えます。しかし、民間の中小・零細企業や一般家庭においては、昨年の大震災のあるなしにかかわらず、過去長引いていた景気低迷の中、徹底した経費節減策の大きな一つとして、すでに限界的な光熱費の節約を実施していたところも多く、そもそもそれ以上の節電は、それこそ渇いた雑巾を絞るようなもの、という実情も多々存在するのです。このような状況の中、本市として市民の更なる節電行動を促すためには、もう、単なる呼びかけを超えて、本市が主体性を持った効果的な仕掛けも必要になるのではないでしょうか。たとえば、ピークカット必要時には、公共施設の入場料をすべて無料にしてご来場いただき、各家庭トータルでの冷房時間を少しでも短縮してもらうとか、またたとえば、いざという時などのための自家発電器機を有するすべての企業や施設に、それら装置の活用によるピーク時発電使用の協力をお願いする等々、少しでも実効力と可能性のある節電対策をどんどん考え、実行してゆくべきと思いますが、市長の認識はいかがなものでしょうか、お聞かせください。
さて次に、歩くまち・京都の推進についてお尋ねします。
現在、本市は、はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン実施計画における大きな重点戦略のひとつとして「歩いて楽しいまち・京都戦略」を掲げ、そのための具体的な取組として京都駅南口駅前広場の整備やパーク&ライド等の観光地等交通対策または四条通や東大路通の歩道拡幅、それにともなう車線減少と自動車抑制という計画を推進しています。この中で、第一番目の京都駅南口駅前広場の整備につきましては、私自身も、まさにその地域・南区の選出であり、当然これは早期にしっかりとしたものを完成していただきたいと強く要望するところのものでございます。そして、四条通の一車線化問題やパーク&ライド交通対策等につきましても、いくつかの提言や意見、評価や質問をさせていただきたいと思います。
第一に、京都においては観光産業も経済を支える大きな柱の一つではありますが、道路は狭く、交通渋滞もよく発生するため、京都にはどんどん来ていただきたいが、車よりも公共交通を利用して、または歩いて楽しんでほしい、と願うのも当然です。健康にも環境にも、そしてまた歩いてこそ再発見できる素晴らしいものもたくさんあります。しかしその一方で現実的には、我が国はやはり車社会でもあり、これまでの繁栄も車と電器製品がもたらしたということもまた一つの大きな要因であります。しかしこれからの時代、たとえば脅威となり得る海外からの安価な輸入車の台頭や、若者の車離れ、円高による自動車販売の不振、等による一層の国内経済の衰退が懸念されることを考えても、果たしてこの京都が先頭に立って脱クルマ、政策的にクルマ排除社会を目指してよいものだろうか、という疑問も残ります。そして、歩くばかりには身体的、諸条件的に難しい方や、時に高齢者の方々からは「そんなに歩こう歩こう言われても、なかなかつらいものもある…」とか、一時に重い荷物を運ばなければならない場合や、また民間企業では、集客戦略の絶対必要条件として、まず真っ先に交通・とりわけ車によるアクセス性と駐車場の確保を第一に考える等々、車と人の動きと経済波及効果には切っても切り離せない関係があり、京都経済にとっても車排除的な推進より、車との共存、特に環境性能に優れ、日本の高度な技術が結集された自動車との共栄、それとともに歩くことと公共交通とのこれら三つがバランスのとれたナチュラル・シフトとしての政策が必要で、まるでタバコの禁煙運動のような車に乗りにくくなる社会づくり、よりも自然に歩きたくなるまち、バスや地下鉄に乗りたくなる社会という集合意識的な誘発の推進であってほしいと願います。そしてその上では、たとえば一例として京都府与謝野町のように免許返納高齢者に鉄道の乗車料補助制度を適用するというような、またはその他種々、適切な政策を講じて、まずはどうしても乗り物を必要とする方は最優先に乗っていただける配慮、を前提とする推進が必要と考えます。そしてその上で、次には、自転車の利用推進をもっと重要視すべきではないでしょうか。「歩くことばかりに目を向けるのも良いが、自転車にも乗りやすくしてほしい」という声をよく聞きます。私の地元、南区の旧千本通なども一例ですが、子供も住民も大変怖い思いをして自転車に乗っています。今までビジネス、私用、観光客も市民も、条件的には自転車で対応できていた範囲に、まるであたりまえのように車に乗っていた、そんな方々への自転車再利用誘発政策です。ドイツにミュンスターという市があります。大人から子供まで、市民ほぼ全員が自転車を所有し、基本的な交通手段のほとんどが自転車利用で、自転車関連産業も多く、車利用はあくまでも二次的なもの、といったまちづくり。そのような推進をするのも、我が歴史的都市・京都にもふさわしいものではないでしょうか。駐輪場や安全に走りやすい道路・バリアフリー等々のインフラ環境整備。パーク&折りたたみ自転車ライド運動。レンタルサイクルや、京都ならではのモノを活かした自転車用品、オリジナル京都ブランド自転車のアイデア事業…等々。政策として、また経済効果のための新京都ビジネスのひとつとして、いろんな展開が考えられます。観光都市京都、そして環境都市京都という、ある意味、車を基軸として考えた場合には二律背反的な側面をも併せ持つ本市として、これは経済性をも極力、犠牲にしない方法の一つではないかと考えます。自転車は、歩く、走るを含めたどんな移動手段よりも、消費エネルギーに対する動力変換効率も格段に優れています。
以上のように、高齢者や体の不自由方な方への配慮を最優先とした交通政策に、歩くと公共交通と車、この3つが密にバランスのとれた融合政策の推進としての歩くまち・京都。そしてその上に、今まではあまり重点を置かれていなかった京都ならではの自転車利用の促進。自転車都市・京都宣言を目指して、ぜひ前向きにお考えいただきたいと思います。いかがでしょう、市長の見解をお聞かせください。
最後に、本年、具体的な詳細設計となる四条通の計画についてでありますが、昨年来、私どもは、地域経済または環境、安全性など総合的観点に基づく意見・提言をしてまいりました。そして最終的に本年1月の都市計画審議会では、旧来的コンセプトの完全一車線化から進化し、更によりよい設計、すなわちテラス型のバス停留所を基本骨格とする道路づくりという、全国でも稀に見る斬新な設計計画となりました。これにより、安全性の問題、または賑わいや地域経済を支える物流面での懸念等も払拭されるかと大いに期待するものであります。が、ここで今後、非常に大切となってくるのは、行政としての説明責任です。市の中心街の大きな変貌には、当然さまざまな方が期待と不安を持ちます。「さらに渋滞するのではないか」「周辺地域の細街路の混雑や危険性は?」「緊急車輌は?」「物を運ぶのは?」などなど。担当部局からは心配ないとの説明を聞いています。が、まちづくりにおける、このような大きな変革の分岐点でこそ行政はしっかりと、市民や地域住民、観光客、そしてすべての関係団体にも公正に説明責任を果たし、しっかりと意見を聞きながら具体的な詳細設計を進めてゆくことが、今後この計画を進める上で非常に重要と思われます。その理解と協力の呼びかけ、説明や告知に関する現在までの進捗状況、そしてまた今後この取組に関する実行予定と決意の程をお聞かせください。
以上で私の質問を終らせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
→市長答弁につきましては≪京都市会≫ http://www.city.kyoto.jp/shikai/ の「会議録検索」(平成24年5月17日 本会議議事録)をご参照ください。
