KEIBOKUブログ(2025年4月)

 

 

寒暖差の激しい日々が続いていて、

冬なのか春なのか、それとも夏なのか...

もう分からなくなってしまいますね。

 

 

さて、3月号の『書道生活』に、イギリスの友人コリーナについての記事を掲載していただきました。

 

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ちょうど一年前の4月、コリーナは彼女の誕生日に日本へ到着しました。

そのとき、満開の桜がまるで彼女を出迎えるかのように咲き誇っていたことを思い出します。

 

昨年は日本でもイギリスでも一緒に過ごす機会が多く、とても楽しい時間を共有できました。

なかでも、諏訪への旅は特別な思い出です。

 

コリーナは日本の書画に関して私よりもはるかに詳しく、日本の美術館を訪れた時には、日本語の説明を見ながらさらに詳しく解説してくれるほどです。

そんな彼女が、諏訪でガラスケースに入っていない本物の作品を直に鑑賞できたことに大興奮していたのが印象的でした。

 

昨年、東京藝術大学大学美術館で開催された「大吉原展」は大きな話題となりましたが、その展覧会の翻訳もコリーナが担当していました。美術館は多くの来場者でにぎわっていて大盛況でしたが、今年はNHKドラマの影響で吉原がさらに注目を集めています。もしこの展覧会が今年開催されていたら、一体どれほどの反響があっただろうと考えてしまいます。

 

そして現在、コリーナはイギリスの自然保護団体「ナショナル・トラスト」で、日本庭園の普及に関する調査や研究を行うなど、忙しい日々を送っています。

それでも、今年もまたどこかで会うことができたらいいな...と、ちょうど満開の桜を眺めながら考える今日この頃です。

 

 

 

話は変わりますが、春といえば卒業や入学の季節。

KEIBOKUでも、この春卒業を迎えられた生徒がたくさんいます。

幼い頃から筆を持ち、真剣に文字と向き合ってきたみんなの成長を思うと、感慨深いものがあります。

 

この時期は期待と不安が入り混じるものですが、これまで書道を通じて培ったものが、きっと何かの役に立つはずです。

書道は、ただ美しい字を書くことが目的ではあません。

書道は「心を整える」時間でもあります。

筆を持つときには、心を落ち着かせ、集中することが求められますが、呼吸を整え、精神を安定させることで、より美しい文字を書くことができます。

これは、どんな場面においても大切なことです。

新しい環境に飛び込むときにも、冷静に自分を見つめる力になることと思います。

 

また、書道は「継続する力」を育てます。

最初は思うように書けなくても、何度も練習を重ねるうちに少しずつ上達していきましたよね。

コツコツ努力を積み重ねることの大切さを、書道を通じて学んでもらえたのではないかと思いますが、これは勉強や仕事、人間関係においても欠かせない力です。

一朝一夕では身につかないからこそ、継続することの大切さを実感できるのではないでしょうか。

 

そして、書道は「自分を表現する力」も養います。

文字には、その人の個性や気持ちが表れます。

同じ字を書いても、人によって線の強さや雰囲気が異なるように、そこには自分だけの表現が生まれます。

これは、これから新しい環境に進むみんなにとって、とても大切なこと。

自分の考えや想いをしっかり伝えられる力は、どんな場面でも大きな武器になります。

 

卒業は終わりではなく、新たなスタートです。

これから進む道のなかで、壁にぶつかることもあると思います。

思うようにいかないことや、うまく言葉にできないこともあるかもしれません。

そんなときは、一度筆を持ち、心を落ち着かせてみてください。

ゆっくりと筆を運ぶことで、気持ちが整理され、自分自身と向き合えるかもしれません。

 

 

4月は皆さん、とても忙しい日々になると思いますが、そんなときこそ教室に来て、筆を持ち、書に向き合う時間を大切にしてくださいね。

「息抜きに」と思って来てくれれば大丈夫です。

 

お待ちしていますね!

 

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平賀 敬子

 

 

 


   

 

 

 

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