KEIBOKUブログ(2021年10月)

 


中秋の名月が8年ぶりに満月と同日になった先週、
教室からも綺麗な月を見ることができました。
大きな月に照らされて空が明るく、月にかかった雲がとても幻想的でした。

 

KEIBOKUの9月は、例月の毛筆、硬筆作品に加えて、記念作品制作、大東文化大学全国書道展出品、それから「書道生活」の昇格試験と、何とも目まぐるしい日々でした。

 

記念作品の方はかなり時間がかかってしまいましたが、来週から順次お渡ししますね。
たのしみにしてお待ちいただいた皆様ありがとうございました。


そして今月は「書聖」の昇格試験が始まります。
すでに気合いが入っている人たちもいますが、
作品提出まで一か月、頑張って練習しましょうね。

 

最近は涼しくて過ごしやすくなってきたので、
これからが「芸術の秋」本番です。
そして「食欲の秋」でもあります(^^)

 

ちょっと料理に気合いを入れようかと思い、
先日、新しい包丁を購入しました。
前の包丁はあまりちゃんとした手入れもせずに、長年使っていたものだったので、新しい包丁を使ってびっくり。
全然力を入れてないのにスパスパ、切れる切れる。
包丁ってこんなに切れるものだった??


調子に乗って色んなものを切りまくっていたのですが、
気がついたらあちこち手から血が‥‥
知らない間に、小さな傷がたくさんできていました。
ちょっと触れるだけで切れるんですね、包丁って‥


いつも慌てて料理したりしてるので、たまに包丁を落とすこともあったのですが、
この新しい包丁を落としたりしたら本当に危険‥
絶対落としてはいけない。
細心の注意を払って使わなければ。
とめちゃくちゃ気を引き締めました。
新しい包丁のおかげで今のところ緊張感あふれる料理の時間となっています。

 


そしてそういえばこの感覚、何かに似ている‥と思ったのですが、
そう、筆です。


ついつい新しい筆に取り替えることなく同じ筆を使い続けることがありますよね。


筆の毛が割れてしまったりして、もうどうにもならない時は取り替えますが、
少しずつ穂先が摩耗していたり、毛の量が少なくなってる時などは、何となく気づいていてもまだ使えると思ってそのまま使っていませんか?


そんな風に消耗していく筆だけを長い間使い続けると、
手がその感覚に慣れてしまい、
その消耗した筆でないと思うように書けないということになってしまいます。
そして気付かないうちに、
書いた字も何だか貧弱になっていたりして‥

 

使う頻度や使い方にもよりますが、普段使っている筆は大体一年ぐらいで買い替えるのが良さそうです。


新しい筆は、包丁のようにスパスパ切れてケガをするという危険性はないのですが、

半紙を切るような穂先の効いた鋭い線は、
やはり新しい筆でなくては書けません。


苦手な人が多い、たっぷりした右払いやハネも新しい筆だと苦労なく出来ることもありますよ。

 


知らない間に陥っている、本意でない執着⁈
「まだ使える」という気持ちはそんな感じかなと思いました。
ちょっと取り替えてみると‥まるで別世界。
玉ねぎのみじん切りをしても涙が出ない包丁には衝撃を受けました(^^;

 

筆もぜひ、定期的に新調していつも快適な気分で書けるようにしましょうね。
きっと作品もグレードアップしますよ。

 

料理にしても、書道にしても、
大切な道具の微妙な劣化を察知して、面倒くさがらず手入れをしたり、時には思いきって取り替えたりすることが大切ですね。

 

 

KEIBOKUではお子様の場合、筆の管理を教室でしていて、
傷んできたら保護者の皆さんにお知らせしています。

これから昇格試験や書き初め練習など、
みんなが本気で取り組んでいく時期になります。
書きにくいのを我慢して使うのではなく、
もしこちらからお知らせした場合や、
お子様ご自身が新しい筆に取り替えたいと言われた時はいつでもお申し付けくださいね。

 

 

2021年もあと3ヶ月をきりました。
美味しいものを食べて、
免疫力を上げながら、
たのしく書道に打ち込みましょうね!

 


2021.10.1
平賀敬子

 

 


   

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