KEIBOKUブログ(2021年9月)
何だか雨の日が多く、
ちょっと夏らしくなかったような夏休みでしたね。
先月の新着情報でお知らせしましたが、
8月10日から15日まで、
セントラルミュージアム銀座で、
「生誕百年記念・成瀬映山展」が開催されました。
成瀬先生の作品から発せられる気が溢れ、
凛として穏やかな空間。
そんな会場で英気を養うことができました。
そしていよいよ新学期が始まりますね!
KEIBOKUでは夏休み中にうちわ制作をしましたので少しご紹介しますね。
昨年より少し大きなサイズの和紙うちわに、
好きな文字を筆で思い思いに書いて仕上げました。
一回勝負なので、
みんなちょっと緊張しながら書いていましたね。
自分ではちょっと失敗したかもと思う部分も、
素敵な味となっていましたよ♪
それから記念作品制作の方も順調に進んでいます。
ほとんどの皆さんの作品は完成しましたので、
これから表具してお渡しする準備に入ります。
たのしみにお待ちくださいね。
そして、「書道生活」に出品されている方々は、
昇格試験に向けての作品練習が始まりました。
今回初めて挑戦される方も数名いらっしゃいますが、皆さん真剣に取り組まれています。
一般部、それから高校生上級の場合、
課題として、条幅という大きいサイズの作品の提出が必要になります。
半紙作品は普段からの積み重ねがあるので、
特に気負うことなく皆さん書かれるのですが、
条幅作品の場合はそうはいかないようで、
どんな課題が出されるのか、
自分は書けるだろうか‥と、
最初は色々不安に感じていらっしゃる方も多いようです。
試験のための手本をお渡しして、
そして初めてその方の作品を見るとき、
実は私も緊張しています。
というのは、ここからこの作品を完成させるまで、
どのくらいの時間が必要となるか、
どのくらいの枚数を書かれるか、
皆さんお忙しい中でその時間を取っていただけるか、
そして何よりご本人が完成までモチベーションを保ち続けられるか、
などなどを一気に考えてしまうからです。
子供たちの昇格試験の場合は、スタッフが一丸となって、
ほめたり、励ましたりしながら、作品の完成まで寄り添いますが、
大人の方の場合はやはり、全てご本人の意思によるので、
それを上手くサポートできるかどうか、
がとても難しく、毎回悩むところです。
そして今年は、普通なら他にやる事がたくさんあるはずの大学生が、なぜか書道に打ち込む、
という不思議な光景が見られるKEIBOKU。
もちろん、昇格試験にも挑戦します。
みんな黒づくめの格好で、
時にはジャージ姿もあり‥という、
華やかな大学生のイメージを払拭しながら、
日々墨にまみれて頑張っています。
実際、作品を仕上げていくためには、
ただ手本を真似して書くのではなく、
どのくらい作品に気持ちを入れられるかが大切だと私は思っています。
今回大人の方々はもちろん、大学生の皆さんが最初に書いてきた作品を見て、
真剣に向き合って書いていこうという気持ちが、
いっぱい伝わってきてとても嬉しく感じました。
これから書き込んでいく途中、
どこを目指して書いているのか分からなくなってしまったり、
もしかしたら見るのも嫌になってしまうことがあるかもしれませんが‥
上手く書こうとするより、
分かりにくい言い方ですが、
作品に気持ちをのせて、
自分自身の表現で完成させるつもりで、
最後まで書き込んでほしいと思います。
私も全力サポートしますので、
一緒に頑張りましょうね。
そんな風に頑張っている大学生や、
一般部の方々を見ている高校生から、
先日嬉しいLINEが来ました。
その生徒が教室から帰ってすぐに、
「先生、今日書いた行書のお手本、
練習したいからお手本の写真ください」と。
家でも練習⁈
小学、中学とそんなに一生懸命書いている姿は見たことがなかった??‥というか、休みがちだった男子ですが、
高校生になり突然スイッチが入ったようです。
どこでどうすればそのスイッチが入るのかは、未だ謎ですが‥
考えてみれば、自分より年上の人たちが、真剣に、そしてたのしそうに取り組んでいる姿を見た時、
というのもスイッチが入る一つの瞬間なのかもしれません。
そんな高校生を見て、今度は中学生、そして小学生が自ら頑張り始めたり‥
そんな素敵な連鎖でみんながモチベーションを上げて、たのしく作品作りに取り組んでいければいいですね。
嫌々、渋々‥ではなくて、
意気揚々と⁈
課題に向き合った時に、
きっといい作品が出来るのだと思います。
世の中はまだ全く落ち着きませんが、
KEIBOKUの中は別世界で。
書に集中する時間を今月もたのしみましょうね♪♪
2121.9.1
平賀敬子