KEIBOKUブログ(2021年8月)

 
夏が来ました〜!
とにかく、暑いですね。
夏ってこんなに暑かった?って思うほど暑いです。


KEIBOKUは建物が古いから??、教室の中も結構暑いのですが、エアコンと扇風機をフル稼働して何とか8月を乗り切っていきたいと思います。
教室に来られる時は水分補給できるものを忘れないようにしてくださいね。

 

さて今月、お申し込みいただいた生徒の皆さんには「記念作品制作」期間として、作品の完成に向けての練習をしていただきます。

 

この「記念作品制作」ですが、以前は「KEIBOKU作品展」として、会場に作品を展示して、保護者の皆様にもご覧いただいていました。


たくさんの方々がご家族で来場してくださり、普段なかなかお目にかかれない保護者の方ともお話しできるとても良い機会でした。

 

今は諸々の事情により展覧会ではなく、個人の作品を表具してお渡しするようになりましたが、私はこの方法もよかったのではないかなと思っています。

 


実は作品展を開催するたびに、感じていたことがあるのですが、
保護者の皆様は自分のお子様には結構厳しい目をお持ちの方が多く、会場の作品を観ての感想がどうも他の人と比べて…というのが多かったのです。

 

その作品を仕上げるまでに、みんなが一生懸命取り組んでいた様子をずっと見ていたので、
保護者の方々のお言葉を聞きながら、作品の良いところや、普段頑張っている様子などをお伝えしたのですが、
やはりつい比べてしまうのか、「今は上手に書けてないけど、あんな風に書けるようになりますか?」と他の作品を見て聞いてこられる方がたくさんいらっしゃいました。

 


実際は、ちょっとはみ出していても元気いっぱい立派な太い線で書いたり、目立たなくても細い線で繊細な表現をしていたりなどなど、どれもすごく個性が出ていて今しか書けない素晴らしい作品ばかりだったのですが、
パッと見ると、どうしても全体がまとまっている作品に目が行ってしまうみたいですね。

 


もともと書道を始める目的のほとんどが「上手く書けるようになるため」なので仕方ないことなのかもしれませんが…
一生懸命書いた作品を誰かと比べられたら、書いた本人は少しがっかりだったかもしれません。

 


普段でも、子供たちが持ち帰った作品を見て、保護者の方から、「お手本と似てないのに何ではなまるがいっぱいついているんですか?」と聞かれることがありますが、
手本とそっくりに書くために練習しているのではないので、はなまるがいっぱいなんです(^^;
個性全開でたのしく書く時間を積み重ねれば必ず素晴らしい字が書けるようになります。
その反対で書いたものをいつも否定されながら、嫌々書いていたら逆にトラウマになってしまうかもです…

 


この「記念作品制作」は、みんなの作品を一斉に展示する展覧会と違い、
それぞれ書きたい文字を自分で決めて、普段の稽古の成果を一枚の作品に込めて仕上げ、書いている時の様子を撮った写真と、私のメッセージを添えてお渡ししています。


たった一枚の作品ですが、その作品は毎週毎週通って、手を墨で真っ黒にしながら、たくさんの失敗を重ねて仕上げたものです。

ご家庭で是非一人だけの作品展を開催して、
今しか表現することができない大切な個性を見つけてあげてくださいね。

 

 

そういえば、先日教室に来られたある保護者の方が、
「うちの子が先生の字がとっても好きって言ってるんですよ。見たら自分も書きたくなるそうです。」
という嬉しいお話しをしてくださいました。


この「好きな字」というのが、実は私が言われて一番嬉しい言葉なのですが、
自分が好きなものが分かるって実はすごいことですよね。
その感覚を大切にしてほしいです。

 


今月10日から私の恩師、成瀬映山先生の展覧会が銀座で開催されるのですが、
生前、成瀬先生が「展覧会では好きな作品を一つ見つけてそれを鑑賞すればいいんだよ。」とおっしゃっていました。

今さらですが、その自分の好きを見つけるという感覚が全てにおいて大切なんだなということをしみじみ感じています。

 

 

保護者の皆様には普段から、「お子様が持ち帰った作品をお家で飾ってくださいね。」とお願いしていますが、
その作品を見る時も「上手に書けたね。」という言葉だけではなく、「この部分が好きだわ〜」と好きなところを見つけて伝えてあげてくださいね。


そんな風に褒められたお子様は、ますます張り切って書くようになって、グングン上達間違いなしです(^^)

 


子供たちは作品制作、そして大人の方はいよいよ昇格試験が始まります。
10月の〆切まで、私も皆さんと一緒に奮闘したいと思います!
がんばりましょうね(^^)

 

2021.8.1
平賀敬子

 

 


   

過去の掲載分はこちらから