店長ブログ

2019 / 10 / 29  14:55

ねぎ黒腐菌核病の防除について

ねぎ黒腐菌核病は、厳寒期に栽培されるねぎに発病する土壌病害で、越冬栽培の増加とともに問題となっています。

一度多発生すると、その後の越冬栽培では防除が困難となりますので、防除手段を組み合わせて対応する必要があります。

|特徴

12 月~2 月定植の初夏どりや夏どり栽培のねぎで、4~5 月頃に下葉(外葉)の黄化、株のしおれから生育不良となり、次第に全体が萎縮して黄白色化し、激しい場合には株が枯死します。

発病株の根張りは悪いため、容易に株を引き抜くことができます。地下部は黒く腐敗していて、よく見ると黒変部の表面にゴマ粒大の黒い菌核が多数形成されています。

|生態

伝染源は土壌に残った菌核で、ねぎが定植されると発芽して菌糸を伸ばし、主に根付け部分(茎盤部)からねぎに侵入します。

菌糸の活動は、比較的低温の時に活発で、20℃以上では停滞し、25℃になると活動できない「低温期の病害」です。

菌核は土壌中で長期に生存しています。

|防除対策

 ・発病を早期に確認し、発病株を抜き取って圃場外に持ち出し、適切に処分する。

・未発生ねぎ圃場への病原菌核の侵入を阻止するため、発生圃場での作業後にはロータリーの洗浄を行う。

・作物の栽培前に石灰資材等を施して、PH6.0~7.0 に調整する。

・土壌中の菌核は長期に残存するため、多発生圃場では連作を避けソルゴー等を栽培する。

|土壌消毒剤

ディ・トラペックス油剤 30~40ℓ/10a 土壌注入 (被覆処理) 播種または植付けの 14 日前まで/1 回

バスアミド微粒剤 30~60 ㎏/10a 均一に散布して土壌混和(被覆処理) 播種又は定植 14 日前まで/1 回

|生育期の薬剤

セイビアーフロアブル20(散布)、アフェットフロアブル(株元灌注)、モンガリット粒剤(株元散布)