今号の巻頭言
どこにも忖度しない告発型消費者運動を次世代に
杉浦陽子(すぎうら ようこ/日本消費者連盟「消費者リポート」編集長)
私は日本消費者連盟(日消連)というNPOの事務局員で、月刊機関誌「消費者リポート」の編集長をしています。日消連は、1969年創立で食の安全や環境保全、平和を守る活動まで、消費者、生活者としての権利を守るための活動をしています。「すこやかないのちを未来につなぐ」をモットーに、企業や国家の都合が優先されるのではなく、一人ひとりのいのちや健康が何よりも大切にされる社会をめざして、告発型消費者運動を推進しています。
告発型消費者運動というのは、私たちの生活を脅かす様々なもの、農薬や食品添加物、遺伝子組み換え食品、放射能、合成洗剤、プラスチック、有害化学物質などについて、それを儲けの対象として野放しにする企業や国家に、その不合理や不正を告発して改善を迫るものです。解決したい課題ごとに、企業や国に質問状や意見書を出し、公開することで草の根の世論を盛り上げています。生活する上で1人では解決できない問題にぶつかった時に、力を合わせて国や行政に働きかけ、社会を変えていく。その拠り所が日消連です。
今57歳の私の後継者を探しています。私の年齢と同じだけの歴史ある市民団体で、今でも初心を忘れずに活動を続けているところは少ないかもしれません。企業優位の政策に国家主義も強まり、ますます市民個人の暮らしが圧迫される昨今です。こうした中でも本質を見抜き、複雑な構造を解き明かし、市民にわかりやすく伝え、ともに運動を作っていく団体をなくしてはならないと思います。
日消連の財源は会員からの会費や寄付が中心で、企業からの献金や国からの補助金を一切受け付けていません。組織の維持は簡単ではありませんが、どこにも忖度しない報道や運動ができることは何よりも貴重なことです。この姿勢を崩さず、新しいスタッフを迎えて、次世代にバトンを渡していきたいと思います。
(たぁくらたぁvol.69)
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