関川村商工会

●所在地：岩船郡関川村桂
村指定文化財で史跡記念物です。
　　

　桂集落の南西杉木立の中に、ひっそりと四期の五輪塔が立ち並んでいる。向かって右から、後鳥羽院の供養塔、慈覚大使供養塔、河村氏の墓標である。後鳥羽院の供養塔は現在地に、慈覚大使供養塔は隣接台上端に、河村氏の墓標は西方台上に、いずれも欠落四散していたものを、地元有志がここにまとめ復元奉祀したものである。

慈覚大使は貞観3年（８６１）薬師岳を開峰し金銅仏を奉祀したと伝えられている。開峰に先立ち、桂地内で煩悩を払い魔害消滅のため護摩を焚いたと伝えられている。その後、この地に慈覚大使の遺徳を偲び、供養のため五輪塔が建立された。
また、荒川保の地頭職であった河村氏は、後鳥羽院が隠岐島で崩御されたことを伝え聞き、五輪塔を建立し冥福を祈願した。

河村氏は、相模国足柄郡河村郷の出身で、鎌倉幕府は、河村義秀を荒川保の初代地頭に任命した。河村氏は、はじめ大津付近（旧荒川町）にいたが、、その後要害の地桂に移動し居館を構え、周辺山岳に逐次築城した。この墓標は河村氏の誰かのものと思われる。