関川村商工会

●所在地：岩船郡関川村小和田（波走集落）
村指定文化財で史跡記念物です。

　
　女川の左岸段丘の道から小和田集落に通じる坂を「とのさか」といい、台上にある石塔を地域では「とのいしさま」と呼んできた。石塔は字波走地内にあり、台座の上に七段を重ねた立派な層塔となっている。
　平氏の一族、平繁成は永承５年（1050年）９月、出羽守兼秋田城介に任命された。奥六郡の族長安倍頼良を討伐するため、陸奥守藤原登任と連合し、鬼切部で対戦したが奥羽連合軍は大敗してしまった。繁成は一族郎党とともに、この小和田に落ちのびたと言われている。繁成の子孫は城氏と称し、小和田の「城上」に居館を構え、女川流域から霧出・胎内方面へと開拓を進めた。小和田は城氏の故地であり、この五輪層塔は城氏のだれかの墓標であろうと言われているが、いつ誰が建立したのかは不明である。小和田は砂鉄の産地であり、繁成がこの地を選んだのは、再起をはかる目的があったかも知れない。