お知らせ
つくば市M邸現場状況
屋根工事が終了しました。素朴で温かみのある日本民家の雰囲気が出てきました。
かつて、小屋裏は養蚕の作業スペ-スや燃料の貯蔵庫になっていましたが、今回の再生で小屋裏を納戸にしました。
屋根工事が終了しました。素朴で温かみのある日本民家の雰囲気が出てきました。
かつて、小屋裏は養蚕の作業スペ-スや燃料の貯蔵庫になっていましたが、今回の再生で小屋裏を納戸にしました。床に杉板12㎜+15㎜を張っています。併せて床を張ることによって、水平構面が強くなり、耐震強化になります。
壁に羊毛でできた断熱材を敷き込んでいます。断熱性に加え冬は加湿、夏は除湿作用があり、一年を通して湿度を50%前後に保つ作用があります、その他、臭いを吸収したり、遮音効果など幅広い性能を有しています。少々高価ですが優れた商品です。
添付ファイル
- 小屋裏を納戸にしました。 (34KB)
- 壁に羊毛でできた断熱材を敷き込んでいます。 (23KB)
被災した土蔵の相談から思うこと
震災で被災した土蔵の所有者から、「明治の初め頃に建てられた土蔵が被災を受け、家族の中では解体の方向で話が進
んでいるが、先祖の建てた物なのでもったいない気持ちもあり、一度、専門の方に見ていただきたいと思い電話をしました」との依頼がございました。来週早々に伺う予定を立てました。
土蔵は民家と共に貴重な日本の伝統建築であり、後世に残して行きたい文化遺産だと思います。
これまで日本の建物は一般にも専門家からも木造の耐久性が不当に低く見られていたと感じます。
誰が日本の木造住宅のサイクルを平均25年としたのでしょうか。
私たちは世界最古(築 1310年)の木造建築である法隆寺を有している民族です。住宅の建替えサイクルがアメリカ:103年、イギリス:141年、フランス:86年、ドイツ:80年、英国で約120年という統計が出ています。その英国やイタリア、ドイツに以前訪れた際に、古い集落を視察しました。共通しているのは築100年以上、更には200・300年以上の住宅が新築の何倍もの価値があり、とても人気があり、買った方は丁寧にリフォ-ムして、美しい庭を造り、そして街並みを作っているのです。
彼らは古い物を大切に残していくことの意味を知っています。しかし、日本人にも本来そうした感性があるのではないでしょうか。今回の震災を乗り越えて、新たな命を吹き込んで、これまで生きた歴史と同様に更に1世紀の時を刻んで、歴史ある街の風景となる建物が1軒でも残ることを望んでいます。