上野原市の相続・遺言|
野﨑康史司法書士事務所

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2023-11-12 16:42:00

相続人の地位が重複した場合の相続分(いわゆる二重資格者について)

先日ご依頼を頂いた相続登記と法定相続情報一覧図作成業務におきまして相続人を調査したところ、相続人の中に二重資格者がいることが判明してビックリしました。このようなことは受験知識の範囲だと思っておりましたので、慌てて先例や学説を調べて、何とか法定相続情報一覧図が完成したところです。 

 

概要は以下の通りです。

 

pdf 二重資格者相関図.pdf (0.27MB)

 

  1. 経緯は不明だが、花子が婚姻をせずにA子を出産した。
  2. 子を出産したので、父母の戸籍から除籍となり、筆頭者が花子の戸籍ができた。
  3. 花子の父母が、A子を養子にした。
  4. 令和5年に一郎が死亡した。子供はいないうえ、両親も既に亡くなっているため相続人は配偶者と兄弟姉妹となった。
  5. 一郎に先立って、令和2年に花子が死亡していたため、代襲相続となり、A子が花子の代わりに相続人になった。

以上の経緯から、A子は被相続人の姉としての地位と、妹としての地位で相続人となります。

(同一順位間で相続資格が重複する場合には二重の資格を得ます。)

具体的な相続分は、妻B子は12分の9、二郎は12分の1、A子は12分の2となります。

 

このケースの場合「孫かつ養子」(昭和26年9月18日民事甲第1881号民事局長回答)と酷似していることから、具体的な先例は存在していないとはいえ、学説上、民法自体が重複する場合を認めていることを前提に、特に重複を認めない理由がないということで、両者の相続分を合計して取得するという考え方が有力と考えます。実際、法務局側としてもこれで良いとのことでした。

とはいえ法務局に申請した際にはかなりビクビクで、ダメ出しが来ないかと心配でした。法務局でも協議したようでした。

2024.05.13 Monday
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