「魚食文化を守りたい」
まちの魚や 井上鮮魚店

魚離れが進む今だからこそ、「本当の魚のおいしさ」を現代の食卓へ届けることが私たちの使命です。
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商品開発ストーリー

「魚ばなれ」の時代を生き抜く、三代目の挑戦

 

危機に直面:追い込まれた鮮魚店と、失われゆく食文化

 愛媛県三瓶町で70年。私たちは地域の食卓を守り続けてきましたが、近年、いくつもの大きな危機に直面しました。

 

 地球温暖化による海水温の上昇で、三瓶町の特産品だった鯵が獲れなくなり、他の魚種も漁獲量が激減。仕入れ価格も高騰し、経営を圧迫しました。それと連動し、若者世代の「魚ばなれ」が深刻化。さらにコロナ禍では、地元のホテルやイベント向けの仕出し需要が激減し、収入源が強制的に経たれ、経営は大きな苦境に立たされました。

 

地域と食卓を守りたい、最初の奮闘

 この状況で、私たちはまず、誰もが手軽に美味しい魚を食べられるようにと、惣菜の製造販売を始めました。「年金暮らしの高齢者や子育て世帯の家計を苦しめたくない」という想いからお手頃価格での提供を続けましたが、調理の手間は増えたものの、経営的な打開には至らない状況でした。

  

危機を好機へ:新商品開発とサステナブルな視点

 この状況を打開するため、私たちは市が主催するセミナーに参加し、新商品開発への伴走支援を受けました。そして、「持続可能な経営」と「魚食文化の継承」を両立させるための挑戦が始まりました。

 私たちが目をつけたのは、地元で安定して仕入れができる真鯛の、これまで廃棄されていた中骨やアラです。この未利用資源をなんとか活かせないかという想いから、南予地域の郷土料理「鯛そうめん」のつゆを作ることを決意。料理研究家の中村和憲先生や、地元の高校生にもご協力いただき、最高に美味しい「鯛そうめんつゆ」が完成しました。

 地元では大好評を得ましたが、美味しさを突き詰めた結果、個性が強すぎてしまい、広く地域外で販売する販路開拓は難しいという現実に直面しました。

 

試行錯誤の末にたどり着いた、未来への「白だし」

 私たちは、地域外の方にも真鯛の美味しさと、私たちが守りたい魚食文化の豊かさを伝えることを諦めませんでした。

 販路の壁を乗り越えるため、私たちは再度研究を重ねました。追及したのは、「本物ならではの芳醇な香り」と「あらゆるメニューに使える汎用性」の絶妙なバランスです。

 試行錯誤の末、ついに完成したのが、この「真鯛の白だし」です。

 この白だしには、「地域で獲れる最高の真鯛を活かしきる」というサステナブルな使命と、「厳しい時代を生き抜く三代目の情熱」、そして「魚食文化を未来へ繋ぎたいという家族の願い」のすべてが詰まっています。

 単なる調味料ではなく、70年の歴史と、海の未来を救う想いが込められた一本です。

 

 

2026.10.20 Tuesday
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