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2024 / 03 / 21
11:32

能登半島地震の地震被害の報告から

能登半島地震の地震被害の報告から

国土交通省から発表された「令和6年度能登半島地震による建物の津波被害及び瓦屋根の地震被害現地調査報告」を読んでみました。

調査の目的は以下の2つです。

  1. 津波による被害形態の収集
  2. 令和5年5月5日の震度6強の地震で無被害であった瓦屋根の被害の有無の確認

結果を要約すると以下です。

  1. 最大高さ3mの津波によって 建物が移動・流失した(土台基礎との補強不足による),地盤が削られた,外壁や開口部の損傷,柱の流失などが確認された。
  2. 令和5年5月に続き,2度の震度6強の地震の後でも『ガイドラン工法』により施工された屋根瓦に被害は確認されなかった。
  3. 平部の瓦を全数緊結した工法で施工された屋根瓦であれば上部構造が倒壊した住宅であっても,その多くの屋根で平部の瓦が脱落していないことを確認した。
  4. マンホールの地盤面からの著しい突出,橋と道路の間の段差,広範囲の地割れなど地盤変状に伴う被害を確認した。

 今回の地震の8か月前の令和5年5月の地震の後にも国交省による調査が行われ,調査した同じ住宅が今回も被害が無かったことが確認されています。

 guideline.jpg

左側が今回の地震後の状況(隣の電柱が倒れかかってますが地震による直接の被害は無い),右側が令和5年の地震後の状況。(報告書からの抜粋)

 報告の4.にあるように今回の地震での液状化現象など地盤に大きな影響があれば建物への被害は免れませんし,建物自体の強度(耐震性)が不足していれば屋根の上に何が載っていても被害は出てしまいます。

現地では築年数の経過した建物が多く残っていた=永く風雪に耐えた瓦屋根だったからこそ残っていた。とも言えます。

ニュース映像だけでは倒壊した建物と落ちたり割れたりした瓦とが強調されるだけで,その実態までは詳しい報道されません。(ただ単にイメージだけが先行しては正しい情報を得られないでしょうし,冷静な判断ができなくなってしまいます。)

阪神淡路大震災以降,瓦屋根業界も地道に改善を重ねてガイドラン工法を確立して災害に負けないように努力しています。消費者の皆様にも理解していただければ幸いです。

↓ガイドラン工法のイメージ図です。

https://www.zentouren.or.jp/kai/

 

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