日記

2023-05-19 14:49:00

シボレー「コルベットC2」

作業前.png

本日紹介する車はシボレー「コルベットC2」。

現在ではC8まで出ており、この車両は名前の通り2代目に当たります。

生産されていたのは1963年頃で年式と未だ衰えない人気も相まって、現在の希少価値は相当なもとなっております。

それゆえに雑誌やテレビで目にする機会はあっても、日本の公道で走行しているこの車を見かけることは困難といえます。

ちなみに、芸能人では所ジョージさんが所有していたりします。

さて、蛇足はここまでとして今回のご依頼ですが、アライメント調整とホイールの塗装、タイヤ交換の3点です。

備考としてお客様から「タイヤが内減りしてしまう」お話も伺いました。

それでは早速作業に移っていきましょう。

まずはタイヤ交換を行います。

ただし、アライメントの後にホイールの塗装も控えているので、ホイールにバランスウェイトはまだ取り付けていません。

続いてアライメント調整。

こちらが調整前数値です。

 IMG_8698 調整前 (2).png

足回りの部品もところどころ交換されているようなので予想はしていましたが、やはり大きくズレていました。

しかも、四輪ともネガティブトー、ネガティブキャンバーなのでタイヤが内減りするというお客様のご指摘とも一致していますね。

早速調整作業ですが、この車は少し調整機構が独特な作りとなっております。

リヤキャンバー.JPG リヤトー.JPG

こちらの二枚の写真は左がキャンバーの調整機構、右がトーの調整機構となっております。

左の写真は見ての通りモンキレンチがかかっている箇所を伸縮してリヤタイヤにキャンバー角が付きます。

問題は右の写真。

C2コルベットはリヤがトレーディングアーム式という構造をしており、写真中央のアームの両脇に挟まっているシムの厚さの比率を変えることでリヤのトーを調節します。

シムの厚さを車両内側を薄くし車両外側を厚くするとトーがプラスに、逆に車両内側を厚く車両外側を薄くするとトーがマイナスに動きます。

調整の細かさはあくまでもシムの厚さに依存するため、0.1mmずつ動かすようなことはできませんが、厚さの違うシム同士をうまく組み合わせると、左右差を限りなく小さくできます。

 フロントキャンバ&キャスター.JPG フロントトー.JPG

さて、続いてフロントのアライメントですが、こちらはダブルウィッシュボーン式を使用しております。

左の写真はアッパーアームを上から見た写真です。

こちらはアッパーアーム軸側の取り付けナット2本を緩め、それぞれの隙間にシムを挟むことでキャンバーとキャスターを調整できます。

シムの厚さを車両前方を薄く車両後方厚くするとキャスターがプラスになり、逆に車両前方を厚くし車両後方を薄くするとキャスターがマイナスになります。

また、同時にシムの入れれば入れるほど、キャンバーがポジティブに動いていきます。

こちらも厚さの違うシムをうまく組み合わせをて基準値を目指しつつ左右差をなくしていきます。

そして最後に左の写真のトー調整用のシャフトを回してトーを合わせていきます。

 IMG_8699 調整後 (2).png

 そして調整後の写真です。

時間はかかりましたが満足のいく出来です。

試運転でも問題がないことを確認し終えたら、次はホイールの塗装に移ります。 

 p0040000.JPG  p0042000.JPG

元のホイールはホワイトでしたが、今回はブラックに塗装。

 

写真にはありませんが、塗装前にホイールに付いた小傷の修理も行っています。

塗装が終われば、ここでようやくホイールバランスを取り、車両に装着すれば完成。

p0048000.png

 

この度は当社に貴重なお車をお任せいただき有難うございました。

またのご来店を心よりお待ちしております。

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