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長谷川常雄 【一の谷図】 幕府の絵師
長谷川常雄(不明-1757)
岡山藩御用絵師、如辰と号しました。長谷川常時の長男であり、父及び狩野周信に学び、のちに池田継政に仕えました。
備前岡山藩の御用絵師は、狩野三徳、狩野自得、長谷川常時の狩野派三家が代々つとめていたとされますが、狩野守則、長谷川常時、長谷川常宇らの作品が少数残っているのが確認される程度で、伝わる資料も少ない為、珍しい作品です。
【一の谷図】は、有名な『平家物語』の「一ノ谷の戦い」を描いた作品です。3,000騎を率いる義経が兵を分けて70騎を率い、一ノ谷の裏山に向かい「逆落しの奇襲」を行った場面が描かれています。崖を駆け下った義経らは平氏の陣に突入し、予想もしなかった方向から攻撃を受けた一ノ谷の陣営は大混乱となり、義経はそれに乗じて方々に火をかけ、平氏の兵たちは我先にと海へ逃げ出したとされています。