エジプトのアスワンに建つ、1899年創業のかつて宮殿だった建物を改装したホテルである。チャーチル、アガサク・リスティが愛したホテルである。アガサ・クリスティはこのホテルに長期滞在し、あのイル殺人事件」を書き上げた。
暫く、営業を休止していたが、改装を終え2011年に伝説のホテルは蘇った。行かずにはいられなかった。新館と本館があるが、宿泊したのは当時の面影が残る本館のオールド・カトラクトスイート。それも最上階のナイルフロントの部屋を予約した。何もかもが想像を超える素晴らしさだった。テラスからのナイルの雄大な景色、眺めが良くて心地よいプール、豪華なレストラン、粋なライブラリーとどこも行かずに優雅なホテルライフを満喫した。特に部屋から見えるナイル川景色は素晴らしかった。ナイル川がこんなにも美しいとは知らなかった。情勢不安とテロの関係でエジプトでは観光客が激減している。ホテルのプールも貸切状態だった。王様になったように気分になれるホテルであった。
家具や調度品、金物関係の職人の技術が卓越しているので、それらを見ているだけでもワクワクしてくる。客室の壁は高級左官仕上げのアンティコ・スタっコで仕上げられている。イタリアから本場の職人を呼んで仕上げたのだろう。
次の日、このホテルからはナイル川に浮かぶイシス神殿を訪れた。