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2012 / 02 / 04  

スランプ脱出

最初はそれほど自覚症状もなく日々をやっていました。

ある日、やっぱり変ではないかと疑い始めました。

その予感は当たっていました。

通常、

「この豆はこういう味か?」

と、いつも疑っています。

同じ豆を他者がローストしたものでもそうですし、何より自分が焙煎した豆もそうです。

こんなものだろうと、安住することが出来ない性格で、その疑いは自分自身の感覚器にまで波及します。

タバコは吸いません。

お酒もいまはもう、ほとんど飲めなくなりました。

舌のみらいが駄目になることや、体調で味覚が狂うことを考えるくらいなら、

それらを嗜む習慣は不要と感じるようになったからです。

何でもそうですが、強い味でないと気がすまないのは、それらの生活習慣と中毒のためです。

去年からは半熱風のシリンダーで焼くことがメインになりましたが、

直火式と比べて楽なのに驚きました。

これなら、経験や理論がなくても見よう見まねでも始めることができるかもしれません。

(はっきり言ってコーヒーの焙煎を簡単だと思うには半熱風は最適な機械です)ただし、あくまでも入り口だけです。入り口でずっと足踏みしつづけるのであれば、すごく簡単な仕事なのかもしれません。

 

油断したのかもしれませんが、何かが大きく狂ったままだったことに、ある日気がつきました。

焙煎のことです。

ものすごく単純なことを思い出したら、もとの自分の目指した味が戻ってきました。

それを味わってはじめて自分がしらずしらず深いスランプに陥っていたことを思い知りました。

 

いつも注意を向けていても、

いつも過去のデータを見ていても、

目の前で五感を働かせて見ていても、

錯覚していると、

大切なことが目に見えなくなってしまうと理屈では知っていたはずなのに今回思い知りました。

雲をぬけて全てに気づいて

とにかく今はほっとしています。

これで、もともとの「太陽と月の珈琲」の珈琲豆の味をつくばでやっと再現できた、という印象です。

今週はいろいろなかたにお店に来ていただいて勇気づけてもいただけました。ありがとうございました。

これで多くの方に味わっていただくだけです。

あとは、自分の目標の

1:1.3

という数字を証明出来るかどうか、

それは腕と運の両方にかかっています。

 

さてさて、伝わらないかもしれない繊細な世界がどれだけ伝わるでしょうか?

伝えていけるでしょうか? 

時間がかかっても伝えていかなくてはならないと思います。

 

 

※写真は今現在お出ししているセットメニューの一例です。