♪ 近況&インフォメーション ♪ 

2011 / 08 / 20  

いつもお越しいただいているお客様へ。

 

● いつもお越しいただいているお客様へ。 『変わらないものは何ひとつありません』 だから、新しい旅へ ●

 

 

ドラマ化もされた「新参者」のなかにこんな台詞がありました。


…人生で起こることは、無意味なことなんて何ひとつない…


目の前でそれが起こったときは否定的なことでも、肯定的なことでも変わらず自分の人生に還ってくるべきことなのだと。
自分の人生に起こったことはどんなことも何か意味があるのだから、自分に還さなくてはならないということの意味で使われていました。
もちろん、この言葉を受け容れない生き方をするひともおおぜいいるでしょう。それは、そのひとの選択ですから、そのように選んで世界を生きていくことになると思います。(その、選んだ人生観にふさわしい人生を生きていくことになるんだということでしょう)

 

今年になって、自分に還さなくてはならない重要な出来事がいくつかありました。
そのひとつは、もちろん、3・11東日本大震災とそれに付随して起こったフクイチ原発事故です。

これを、とにかく経済の面だけでも、活性化させることで「元通り」にしようとする論理が日本中で闊歩していますが、あれだけのことがおこったのですから、
物理的にも精神的にも、これで「元通り」だ、という状態が経済面だけの復興でおこることは有り得ません。必要ですが十分な条件ではありません。

いまも様々な事実を隠されたまま進行している世界最悪の原発事故があるなかで、いくら一時の経済の振興を図ったところで、綱渡りの綱が一本でも切れてしまったら、いまある一見平穏な現実は、おそらく塵と霧散するでしょう。

それを背負った上で、前を向かって現実に向かっていくことが、本当に「3・11」と「フクイチ原発事故」を飲み込んで昇華させるということではないかと考えています。
無かったこととして目を逸らして生きていくことはできないことがいずれはっきりわかると思います。

 

震災直後、こんな記事をどこかで読みました。

ツイッターで友人の震災に関するつぶやきを読んで、距離をとって付き合おうと決心した、という人が多いらしい、というものでした。
友人の本当のものの考え方や、価値観、他人に対する態度を、震災直後のつぶやきから得ることができたんでしょうか。それによって根本的に考え方の相容れないタイプのひともやはり相当数いることがはっきりしたのかもしれません。 

ツイッターではありませんが、何でもかんでも復興にかこつける商売に、嫌気がさしています。
本当に被災地を被災者を考えるなら、自分の商売抜きでやってこそ本当だろうと思えるからです。

 

閑話休題です。

 

一年前になりますが、『月音町商店街の夜』というイベントを筑西市の当店と駐車場で行わせていただきました。
いろいろな経緯がありましたが、その開催の強い動機のひとつに、筑西市に対する恩返しという意味がありました。太陽と月の珈琲にご縁があった素敵なひとたちに架空の商店街に集まってもらい、それをお店のある筑西のひとたちに少しでも味わっていただけないかと考えていました。
イベントは多くの方に喜んでいただけました。それからもう1年たってしまいました。

今年になって市内の懇意にお付き合いさせていただいているかたやお店のイベントにも急遽参加させていただきました。実はこれも、地元に対する感謝の意味合いがありました。市内は移動カフェでは出動しない禁を破っての参加はそういうことでした。

 

それから、

ちょっと時間は掛かってしまいましたが、
筑西市にある「太陽と月の珈琲」という店舗は8月31日を持ちまして、休店させていただきます。

お越しいただきましたみなさま、本当にありがとうございました。

お店は営業しませんが「太陽と月の珈琲」の珈琲豆はこれからもどこかのお店で飲まれていくと思います。
筑西のお店も、また環境と人的機会が整えば開店するかもしれません。

とりあえず、自分達の手で作った、いつもお越しいただいてきた皆様に育てていただいた、筑西のお店は長いお休みにはいります。

ここでであった、ご利用いただいた皆様には本当に深く感謝とお礼をさせていただきます。


ありがとうございました。


変わらないものはなにひとつありません。すべて少しずつ変わっていきます。

自分達も珈琲に対する構えや、お店というものに対する概念も変わり、また、日本の国に住んでいる人たちのこころが昔とは変わってしまったという(残念な)気持ちもあって、
自分達も変わることになりました。


自分達はそういう意味から「新しい旅」に向かうことになります。
これからも、ご縁があってお会いする人たちもいらっしゃるかもしれませんが、それははっきりとはわかりません。


子供のとき、近くにあった駄菓子屋さんにある日、いつものようにフーセンガムを買いに行くと、引き戸になぜか白いカーテンが閉まっていて、構わずに開けて入っていきました。
すると奥からお店のおばさんが出てきて
「ごめんなさいボク、もう、お店じゃなくなっちゃったのよ」
と申し訳なさそうに言われました。

まだ、昨日までと同じように店の中にはガムやチョコや駄菓子があるので、「どうしてなんだろう?」と子供には理解できませんでした。
きっと、子供にはわからない何かの選択でお店を閉めたんでしょうけれど。

 

いろいろなひとたちにそれぞれの選択があるように、
「太陽と月の珈琲」も、新しい旅に出る、という感じです。

 

それは、人が本来そうであったはずのあたたかい、
ココロに根ざしたつながりを大切にするための、
子供の頃に感じた、ベースに愛情を確信できる状態を求めているような、
「ノスタルジックな旅」です。


 

筑西のお店の営業は残り僅かになりましたが、特別なこともせず、
いつもと変わらずおいしい珈琲豆とコーヒーを提供させていただきます。
残り少ないひとときをお過ごし下さい。


人生は旅のようなものです。
みな、少しずつ変わっていきます。

風景も人も。

自分の選んだ、信じた生き方を立証するための旅のようなものです。

確かに旅を歩んで行きましょう!
クチブエでも吹きながら♪


ボン・カミーノ!


(また、もう一回くらいこちらにインフォメーションの記事を書かせていただくとは思います)